
オンコール明けの運転でヒヤッとした。このまま続けたら、いつか事故を起こしそうで怖い。

日曜の夜から胃が重い。月曜の朝、制服に着替える手が止まる。
「訪問看護 辞めたい」と検索したくなるのは、布団の中や移動の合間など、一人になる瞬間ではないでしょうか?
その気持ちは、あなたの弱さではない明確な理由があります。
理学療法士として18年、訪問看護ステーションで10年以上勤務してきた私が解説します。
実は私は、訪問看護から訪問看護へ2回転職しました。3か所以上のステーションを経験して分かったのは、「同じ訪問看護でも、職場でここまで違うのか」という事実です。
この3つはすべて、事業所ごとに全く違います。
つまり「訪問看護が合わない」のではなく、「今の職場が合わない」だけの可能性があります。
この記事を読むことで、「辞める・辞めない」の二択で固まっていた頭がほぐれ、自分に合った次の一歩を選べるようになっています。
あなたが壊れずに働き続けられることが、利用者さんにとっても一番のサービスです。
看護師の方で、担当者に相談しながら進めたい場合は、看護師専門のサービスという選択肢もあります。
訪問看護を辞めたい理由 3選

どれかに当てはまったら、そのまま読み進めてください。3つに共通する事実を、あとで種明かしします。
理由1 オンコール・緊急対応で心が休まらない
オンコール当番の夜は、着信音が鳴るたびに体がこわばります。深夜の緊急訪問から帰っても、気持ちが落ち着かず眠れません。
当番中はお酒は避け、遠出も控えることになります。友人の誘いを断り続けて、「また?」と言われた人もいるでしょう。お子さんのいる方なら、「ママ、また電話?」の一言が胸に刺さります。
ただし、知っておいてほしいことがあります。
オンコールの負担は、事業所ごとに全く違う
当番の回数、手当の金額、困ったときに後ろで支えてくれる体制。この3つが職場によって別物なのです。

私が経験したステーションでも、オンコールの体制は一つひとつ違いました。「訪問看護だから仕方ない」と思っていた負担が、実は職場の仕組みの問題だったと気づいたのは、環境が変わってからです。
オンコールの負担の正体と減らし方は、[【不安解消】訪問看護のオンコールがきつい理由と、負担を減らす4つの視点【理学療法士18年】]で詳しく解説しています。
理由2 訪問件数が多くて記録が終わらない
1日5件と7件では、別世界です。件数が増えると、移動は駆け足になり、記録は後回しになります。夕方に事務所へ戻ってから記録を書き始め、気づけば残業。この繰り返しで消耗していきます。
移動が駆け足になることで交通事故の可能性、訪問中のミスの危険性も高まります。
記録の負担も職場差が大きい点です。
タブレットで訪問先から入力できる職場もあれば、手書きと紙媒体への転記が残る職場もあります。LINEやChatworkなど外部ツールでの報告が別に必要なこともあります。
体力や移動の負担がつらい方は、【訪問看護スタッフ必見】自転車移動がきついと感じたら?雨天対策や入職前の相談ポイントまとめも参考にしてください。道具と工夫で軽くできる部分があります。
「この先何年この働き方を続けられるか」という体力面の不安は、【不安解消】訪問看護は何歳まで働ける?40歳以上が7割の実態と長く働き続ける工夫5つ【理学療法士18年】で詳しく解説しています。
理由3 少人数の人間関係、管理者と合わない
訪問看護ステーションは5〜10人ほどの少人数が中心です。だからこそ、一人の機嫌が職場全体の空気を決めます。逃げ場がありません。
管理者と合わない場合はさらに深刻です。相談する相手がその管理者本人なので、悩みの出口がなくなります。
少人数職場ならではの悩みと、次の職場での見極め方は、[【不安解消】訪問看護の人間関係に疲れた…少人数職場ならではの悩みと、見極め方4つ【理学療法士18年】]で詳しく解説しています。

少人数の職場は「合う・合わない」の振れ幅が大きい世界です。合わない職場に当たったことと、あなたの人柄や能力は、別の話です。
離職理由を調査データで検証
悩んでいるのは、あなた一人ではありません。
千葉県内の訪問看護ステーション管理者218施設を対象にした調査でも、常勤看護職員の離職理由の上位は次のとおりでした。(出典:令和6年度 看護職の定着確保動向調査)

このほか、給与や手当への不満、家族の介護、メンタルヘルスの不調(各12.1%)も挙げられています。
「他の訪問看護ステーションへ転職」が13.2%、「法人内の異動」が12.1%。辞めた人の一定数は、訪問看護そのものを離れたのではなく、職場だけを変えているのです。この2つの道は、後半の「5つの選択肢」で詳しく紹介します。

既卒で入職した看護職員に限ると数字はさらに上がり、「健康上の理由」「職場の労働条件・労働環境への不満」が各29.6%、「人間関係」が22.2%、「責任の重さ等のプレッシャー」が18.5%でした。

労働条件への不満は、現場ではオンコールの負担や件数の多さとして現れます。健康上の理由も、その積み重ねと無関係ではありません。数字で見ても、あなたの「つらい」には根拠があります。
【本質】「訪問看護が合わない」のではなく「今の職場が合わない」だけかもしれません

3つの理由には共通点があります。オンコールも、件数も、人間関係も、すべて職場ごとに全く違うという点です。
私は訪問看護の仕事が好きなまま、ステーションだけを2回変えました。仕事の内容はほぼ同じなのに、働き心地は驚くほど変わりました。だから断言できます。
「辞めたい」と感じたとき、疑うべきはまず職場の仕組みです。
自分を責めるのは、その後で構いません。
職場で違いが出やすい項目を表にまとめます。

病院から訪問看護へ移った経緯や感じた差は、【転職】理学療法士が医療機関から訪問看護ステーションに転職して感じたメリット・デメリット3選に詳しく書いています。
表の最後にある「給与の型」の違いは、【不安解消】訪問看護の給料は本当に安い?年収の実態と手取りを増やす3つの方法【理学療法士18年】で詳しく解説しています。
訪問看護の退職理由でわかる!5つの選択肢

「辞める・辞めない」の二択で考えると苦しくなります。選択肢は実際には5つあります。
選択肢1 今の職場で交渉する
理由が「件数」や「オンコールの回数」なら、まず管理者への相談が近道です。「月の当番を減らしたい」「件数を調整したい」と、具体的な数字で伝えてください。
応じてくれる職場なら、残る価値があります。何度伝えても変わらないなら、それ自体が職場の体質を示す答えです。
選択肢2 法人内で異動する
大きめの法人に勤めているなら、異動という手があります。私自身、法人内の異動で病院から老健、訪問リハまで経験しました。転職の負担なしに、環境を大きく変えられる方法です。
部署の顔ぶれは変わらないとしても、関係機関や顔ぶれは様変わりします。

異動は「逃げ」ではなく制度です。使える制度を使わずに消耗する方が、もったいないですよ。
選択肢3 訪問看護ステーションを変える
私が2回選んだ道です。訪問看護の仕事そのものは好きだったので、職場だけを変えました。結果、同じ仕事なのに、相談しやすさも休みやすさも別物になりました。
面接では「なぜ同じ訪問看護で転職を?」と必ず聞かれます。私は「訪問看護を続けたいからこそ、長く働ける体制の職場を選びたい」と前向きに伝えました。この答え方なら、後ろめたさは要りません。

「訪問看護からもう一つの訪問看護へ」という転職は、周りにあまり例がなく不安でした。でも2回経験した今なら言えます。仕事が好きで職場がつらいなら、変えるのは職場の方です。
判断基準や、面接で「なぜ同じ訪問看護で転職を?」と聞かれたときの答え方は、【体験談】訪問看護ステーションを変えたい…同じ訪問看護へ2回転職した私が語る判断基準3つと面接での伝え方【理学療法士18年】で詳しく解説しています。
選択肢4 病院・施設など別の職域に戻る
訪問が体力的に厳しい、密な連携の中で働きたい。そう感じるなら、病院や施設に戻る選択肢もあります。訪問先を移動することに負担を感じていればなおさらです。
私はほぼすべての職域を経験しました。だから言えますが、戻ることは後退ではありません。ライフステージに合わせて職域を選び直すのは、長く働く人ほどやっていることです。
選択肢5 まだ決めずに、情報収集だけ始める
いちばん低いハードルの選択肢です。求人票は、世の中のステーションの「体制の一覧表」でもあります。情報を眺めるだけでも、今の職場が世間のどのあたりかが分かります。
見た結果「今の職場に残る」と決めるのも、立派な結論です。
相場を知ったうえでの「残る」は、知らないままの「我慢」とは全く違います。
看護師の方で、担当者に相談しながら進めたい場合は、専門のサービスの選択肢があります。
優良な訪問看護ステーションの見分け方5つ

職場を変えるなら、次は「良い職場をどう見抜くか」です。求人票と見学で、この5つを確認してください。
数字を濁す求人より、負担も含めて具体的に書いてある求人の方が信頼できます。
「大変さを正直に書ける職場」は、中で働く人にも正直な傾向があるからです。

見学では、スタッフ同士の何気ない会話と、こちらの質問への答え方を見てください。雰囲気は数字に出ませんが、働き心地はここでほぼ決まります。
未経験やブランクからの再スタートを考えている方は、訪問看護ステーションに転職するなら?未経験・ブランクOKの求人サービスと働き方を徹底解説【看護師向け】もあわせてどうぞ。
よくある質問

- Q転職サイトに登録すると、電話がたくさん来ませんか?
- A
サイトによって仕組みが違います。自分で求人を検索する型と、担当者が付いて連絡をくれる型の2種類があります。オンコールの電話に疲れている時期は、まず検索型から始めると負担がありません。
- Q登録したことが今の職場にバレませんか?
- A
登録しただけで勤務先に連絡がいく仕組みは、一般的にありません。ただし訪問看護は地域の狭い世界です。応募先を選ぶ段階では、今の職場との関係も考えて慎重に動いてください。詳しい仕組みは各サービスの公式ページで確認できます。
- Qまだ辞めると決めていないのに、登録してもいいのでしょうか?
- A
順番は逆で大丈夫です。先に相場と選択肢を知り、それから考える。見た結果「残る」と決める人も実際に多くいます。決めてから動くのではなく、動きながら決めてください。
- Q40代・50代でも訪問看護の求人はありますか?
- A
あります。訪問看護は病棟より平均年齢が高く、経験を評価する職場が多い領域です。人手不足も続いています。求人を見ることは応募ではないので、まず現実の求人数を自分の目で確かめてください。
- Q転職サイトはなぜ無料なのですか?
- A
採用が決まったときに、事業所側が紹介料を支払う仕組みだからです。働く側は最後まで無料で使えます。運営会社名を確認して大手を選べば、過度な心配は要りません。
まとめ 訪問看護を辞めたいと思った日が、働き方を選び直すチャンス

つらさの正体が職場の仕組みなら、あなたが変わる必要はありません。環境を選び直せばいいだけです。
壊れる前に、選択肢だけでも手元に置いてください。

私も「辞めたい」と検索した側の人間でした。2回職場を変えた今、訪問看護の仕事を続けられています。あなたにも、この仕事を嫌いにならずに済む道が残っています。
看護師の方で、担当者に相談しながら進めたい場合は、看護師専門のサービスという選択肢もあります。


