
将来、老人ホームに入るとき費用がどのくらいかかるのか全然わからない。

今はひとり暮らしだけど、施設に入ると費用が高くなると聞いたけど本当なの?
こうした不安には、明確な答えがあります。
理学療法士として18年・訪問看護ステーションで10年以上勤務してきた私が、おひとりさまが老人ホームに入居する際の費用の実態と、安く費用を抑える5つのポイントをまとめました。
おひとりさまの老人ホーム費用で知っておくべき5つのポイント
- 費用の相場は施設の種類によって変わる
- 入居一時金(初期費用)は値段の幅がある
- 収入・資産を含めた費用計画が重要
- 公的施設は費用が低いが、入居待ちが長い
- 費用を抑えるための制度がある
この記事を読み終える頃には、おひとりさまの老人ホーム費用の全体像が把握でき、今日から動き出せる費用計画の道筋が見えます。
おひとりさまの老人ホームの月額費用の相場

| 施設の種類 | 月額費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 5〜15万円 | 公的施設。要介護3以上が対象。入居の待機が長い |
| 介護老人保健施設(老健) | 8〜15万円 | 公的施設。在宅復帰を目的とした短期滞在向け |
| 介護付き有料老人ホーム | 15〜35万円 | 民間。手厚い介護サービスが受けられる |
| 住宅型有料老人ホーム | 10〜30万円 | 民間。介護サービスは外部利用。費用が変動しやすい |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 10〜25万円 | 民間。比較的安価だが介護度が高くなると費用増 |
| グループホーム | 15〜25万円 | 認知症の方向け。少人数制で家庭的な環境 |
公的施設(特養・老健)は費用が5〜15万円と比較的安価です。
民間の有料老人ホームやサ高住はサービスの充実度に比例して費用も上がります。
おひとりさまの場合、年金収入だけで生活できるかどうかを最初に確認しましょう。
特別養護老人ホームと有料老人ホームで何が違うのか、費用以外の違いも気になる方は参考にしてください。


特別養護老人ホームはもっとも費用が安いです。しかし、入居待ちが数年かかることもあります。将来的に「今すぐ入れる老人ホーム」を前提にする場合は民間施設も視野に入れましょう。
老人ホームの入居一時金の相場と注意点

初期費用を確認するときのポイント
入居一時金とは、施設に入る際に一度払う「前払い金」です。
| 施設の種類 | 入居一時金の目安 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 0円(基本的に不要) |
| 介護老人保健施設(老健) | 0円(基本的に不要) |
| 介護付き有料老人ホーム | 0〜数百万円 |
| 住宅型有料老人ホーム | 0〜数百万円 |
| サ高住 | 0〜50万円程度(敷金形式が多い) |
| グループホーム | 0〜100万円程度 |
おひとりさまが一時金を払う場合は、短期間で退去・死亡した際の「返還ルール」を必ず確認してください。
多くの施設では「償却期間(5〜10年)」が設けられており、期間内に退去すると残額が返金されます。しかし、契約内容によっては返還されないケースもあるため、事前の確認が必須です。
月額費用・入居一時金をトータルで計算する方法については下記の記事で詳しく解説しています。


「初期費用0円」の施設でも、月額費用が高めに設定されていることがあります。必ずトータルの費用で比較することをおすすめしています。
おひとりさまの老人ホーム費用で重要なこと

おひとりさまが老人ホームを検討するとき、最も大きな壁になるのが「費用」です。
配偶者や子どもと同居しているケースと違い、おひとりさまの場合は費用の出どころが本人の収入・貯蓄だけになります。
どの施設に入るかを考える前に、まず「いくら出せるか」を明確にしておくことが大切です。

現場で見ていると、費用の計算を後回しにしたまま施設を探し始め、「予算オーバーで選べなかった」と焦るご家族がいます。
おひとりさまが費用で後悔しやすい3つのポイント

月額費用に含まれない別途費用
月額費用として提示される金額に、すべての費用が含まれているとは限りません。
- 医療費(通院・入院)
- おむつ代(施設によっては別途)
- 洗濯代・クリーニング代
- レクリエーション費用
- 理美容代 など
これらを加えると、月額費用が3〜5万円ほど上乗せされることがあります。

「思っていたより毎月の費用が高くなった」というご相談は本当に多いです。見学時に必ず「この金額以外に何がかかりますか?」と聞いてください。
介護度が上がったときの費用変動
サ高住や住宅型有料老人ホームでは、介護サービスを外部から「必要なぶんだけ」利用する形になります。
要介護度が上がると、利用する介護サービスの量も増え、月額費用が高くなります。
介護付き有料老人ホームのように、介護費用が「定額制」になっている施設の方が、おひとりさまには費用が安定するケースがあります。
サ高住を検討している方は事前に読んでおくと、後悔を防ぎやすくなります。

認知症が進行してから動き始める
認知症が進行すると、施設選びの意思決定に参加できなくなります。

今後の方針について元気なうちに情報収集などの行動を始めることが大切です。老人ホーム検索サイトなら無料で情報収集できます。
おひとりさまが費用を安く抑える方法 5選

- 高額介護サービス費の申請をする
- 特定入居者介護サービス費の活用
- 世帯分離で介護費用の自己負担を下げる
- 公的施設(特養・老健)を早めに申し込む
- 施設の立地・設備にこだわりすぎない
高額介護サービス費
1ヶ月の介護サービス費が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
収入に応じた上限額が設けられており、年金収入が少ないおひとりさまは上限が低く設定されています。

お住まいの市町村の窓口で申請します。
特定入居者介護サービス費の活用(補足給付)
低所得のおひとりさまが施設に入居する際、食費・居住費を軽減してくれる制度です。
給付の条件は住民税が非課税世帯であること ・預貯金が一定(単身の場合1,000万円)以下です。
制度を使うことで、月額費用を数万円〜10万円程度抑えられるケースがあります。

制度の内容が2021年に改正されています。条件が変わっているため、最新情報は市区町村の窓口かケアマネージャーに確認するのが確実です。
世帯分離
同居している家族がいる場合、「世帯分離」を行うことで介護費用の自己負担を下げられることがあります。
おひとりさまはすでに一人世帯になっているケースがほとんどですが、子どもと同居中の場合は検討の余地があります。
公的施設を早めに申し込む
特養(特別養護老人ホーム)は費用が最も安い施設ですが、入居まで数年かかることがほとんどです。

「今すぐは不要」と感じていても、情報集のみでも行動することをオススメします。
施設の立地・設備にこだわりすぎない
都市部の施設は地方と比べて月額費用が高くなる傾向があります。
交通の便が多少悪くても、費用が月5〜10万円安くなるケースはよくあります。
「家族が面会しやすい」ことは大切ですが、おひとりさまは特に、費用とのバランスを冷静に判断してください。
よくある質問

- Qおひとりさまで老人ホームに入る場合、保証人は必要ですか?
- A
多くの施設で保証人(身元引受人)が必要とされています。身寄りがない場合は、身元保証サービスを利用する方法があります。費用は年間3〜10万円程度が目安です。施設に相談すれば、対応可能な保証会社を紹介してもらえることがあります。
- Q年金だけで老人ホームの費用をまかなえますか?
- A
施設の種類によります。特養や老健であれば、月額5〜15万円が目安なので、年金収入によってはまかなえるケースがあります。一方、民間の有料老人ホームは月15〜35万円かかることが多く、貯蓄の取り崩しが必要になることが多いです。
- Q認知症でもおひとりさまで老人ホームに入れますか?
- A
入れます。認知症の方向けには「グループホーム」や「介護付き有料老人ホーム」が適しています。ただし、認知症が進行すると本人が費用や契約の意思決定に参加できなくなるため、早めに成年後見制度の相談を始めることをおすすめします。
- Q入居した後に費用が足りなくなった場合はどうなりますか?
- A
費用が払えなくなった場合、退去を求められるケースがあります。その前に、生活保護の申請や、高額介護サービス費・補足給付の活用を検討してください。ケアマネージャーや市区町村の窓口に早めに相談することが大切です。
まとめ おひとりさまは事前準備が大切

おひとりさまの老人ホームへの入居は、費用の全体像を把握しておくだけで、不安が大きく減ります。
「いくら必要か」「どんな制度が使えるか」を知ったうえで動き始めれば、焦らず自分に合った施設を選ぶことができます。

