
父の介護で、母が疲れている。母は「お父さんと離れたくない」と言うけれど、2人で入れる施設はあるのかな。

2人分の費用を、両親の年金で払えるのか分からない。
親が夫婦で一緒に入れる老人ホームを探して、迷っていませんか?
夫婦で入れる老人ホームはあります。
2人部屋が見つからなくても、あきらめる必要はありません。
訪問で伺っていた住宅型の有料老人ホームでは、夫婦で暮らす方と関わってきました。 老健(介護老人保健施設)で働いていたときは、入所した方に会いに来る配偶者とも関わりました。
この記事を読むことで、2人の体の状態に合った暮らし方を、家族で選べるようになります。 両親が夫婦で納得して暮らせる住まいを、一緒に探してください。
夫婦で入れる老人ホームを探すなら、私のおすすめは「みんなの介護」です。
夫婦で入れる老人ホームの選び方3選

老人ホームでの夫婦の暮らし方は、次の3つから選べます。
みんなの介護では、「夫婦入居可・2人部屋あり」という1つの絞り込みの条件で、老人ホームを探せます。 載っているのは、2026年10月24日時点で全国18,844件です。
同じ部屋(2人部屋)で暮らす
2人部屋は、家にいたときと同じように、同じ部屋で寝起きできる暮らし方です。 2人の介護の量に差があるときに気をつけることは、こちらで解説しています。
同じ建物の別々の部屋で暮らす
起きる時間や、必要な介護の量が2人で違っても、それぞれの部屋で自分のペースで過ごせます。 2人部屋に空きがないときの、次の候補にもなる暮らし方です。

訪問で伺っていた住宅型の有料老人ホームには、同じ建物の別々の部屋で暮らす夫婦がいました。片方が先に入り、あとから配偶者も同じ施設に入った夫婦も、部屋は別々のままでした。
片方だけ入り、もう片方は会いに通う
元気な方は家での暮らしを続け、介護が必要な方の介護は施設の職員に任せられます。

老健で働いていたとき、入所した方の配偶者が、よく面会に来ていました。訪問で伺っていた住宅型の有料老人ホームでも、配偶者がよく会いに来る方がいました。
面会の回数や、職員さんへの様子の聞き方は、 【本音】老人ホームの面会は毎日でも迷惑?職員に様子を聞く3つのコツ で解説しています。
夫婦で入れる老人ホームの種類は、2人の体の状態で3つに分かれる

2人の状態ごとに選べる施設の種類を、まとめました。
2人とも元気なら
サ高住・住宅型有料老人ホーム・ケアハウスが候補です。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
安否確認と生活相談のサービスがついた賃貸住宅です。 入居できるのは、60歳以上の方か、要支援・要介護の認定を受けた方です。
国の決まりでは、配偶者は同居する人として一緒に住めます。 2人で住める広さの部屋があるかは、住宅ごとに違います。
出典:国土交通省・厚生労働省「高齢者住まい法の改正について」(p.7)
住宅型有料老人ホーム
生活の手伝いのサービスがついた住まいです。
ケアハウス(軽費老人ホーム)
体の働きが落ちて1人で暮らすことに不安があり、家族の助けを受けにくい方の施設です。 入る方は60歳以上が条件ですが、配偶者などには例外があります。
六十歳以上の者。ただし、その者の配偶者、三親等内の親族その他特別な事情により当該者と共に入所させることが必要と認められる者については、この限りでない。
出典:厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」(第十三条)
ケアハウスの部屋は1人部屋が基本で、必要と認められる場合に2人部屋にできます。
片方だけ介護が必要なら
介護付き有料老人ホームか、介護を外から頼めるサ高住・住宅型が候補になります。
介護付き有料老人ホーム
施設が介護サービスを用意する住まいです。
出典:厚生労働省「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」(別表 有料老人ホームの類型)
元気な方も一緒に入れるかは、施設ごとに違います。 聞き方は、こちらにまとめました。
サ高住や住宅型有料老人ホーム
サ高住や住宅型有料老人ホームなら、介護が必要な方だけが、外の介護サービスを使えます。 元気な方は、これまでどおり自分のことを自分でしながら暮らせます。
2人とも介護が必要なら
介護付き有料老人ホーム・特養・グループホームが候補になります。
特養(特別養護老人ホーム)
入居できるのは、原則として要介護3から5の方です。
要介護1・2の方は、家での暮らしが難しい事情があるときに限って、特例で入れることがあります。 入所は施設に入る必要が高い方から順に決まるので、夫婦がそろって入れるとは限りません。
出典:厚生労働省「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」
国の基準では、特養の部屋は1人部屋が基本で、必要と認められる場合は2人部屋にできます。 2人部屋があるかは、施設ごとに違います。
出典:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(第三条)
グループホーム
認知症の方が5〜9人の少人数で、職員と一緒に暮らす住まいです。 使えるのは、認知症があり、要支援2か要介護1〜5の認定を受けた方に限られます。
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
グループホームは、原則として施設と同じ市区町村に住む方が使うサービスです。 2人とも条件に合えば、同じグループホームを探せます。
出典:関東信越厚生局「地域密着型サービスの概要」(2017年3月・p.16)
有料老人ホームと特養の違いは、 【徹底比較】有料老人ホームと特養の違い5選 費用・サービス・選び方を理学療法士が解説 で解説しています。
夫婦で入れる老人ホームの費用は、部屋の借り方で変わる

見比べるのは、2人部屋の料金と、1人部屋2つ分の料金です。
2人分の費用には、主に次のものがかかります。

2人部屋と1人部屋2つの料金を、施設ごとに見比べる
部屋代の決め方は、施設ごとに違います。 2人部屋と1人部屋の両方がある施設なら、2つの料金を並べて比べてください。
介護保険の自己負担は、1人ずつかかる
介護保険のサービスを使ったときの自己負担は、次のとおりです。
介護サービスにかかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のサービスにかかる利用料
2人とも介護を受けるなら、それぞれの介護の費用が、2人分かかります。
安く入りたいときは、月払いのプランと公的な施設も比べる
有料老人ホームの払い方には、まとまったお金を先に払わず、毎月払う「月払い方式」もあります。 入居のときの大きな出費を抑えたいなら、月払いを選べるかを聞いてください。
介護保険施設(特養や老健など)には、所得や預貯金が一定以下の方の、食費と部屋代を軽くする仕組みがあります。
所得や預貯金が基準以下の方は、市区町村に申請して、負担限度額の認定を受けると使えます。 負担限度額の認定は、食費と部屋代を軽くするための、市区町村の認定です。
食費を軽くする仕組みは、 【解説】施設生活での食費の補助制度あり。 で解説しています。
老人ホームの費用の相場は、 【2026年最新】老人ホーム費用はトータルいくら?月額・一時金の相場と安く抑えるコツ3選 でまとめています。
夫婦で入れる老人ホームで、同じ部屋に暮らすときの注意点

同じ部屋を選ぶなら、2人の介護の量の差に目を向けてください。
元気な方も世話を手伝う暮らしになることがある

訪問で伺っていた住宅型の有料老人ホームに、同じ部屋で暮らす、介護の重さに差のある夫婦がいました。重い方の世話をしていたのは、職員と、元気な方の配偶者の両方です。
夫婦の仲がよく、手伝ってあげたいという配偶者の気持ちは、見守りたいと感じました。
一方で、家族やケアマネは、入居で介護の負担が軽くなると感じているように見えました。
任せられる施設に移っても、配偶者はつい自分で手を貸してしまい、負担は軽くなりきっていないと感じたのが正直なところです。
手伝いたい気持ちは大切にしながら、どこまでを職員に任せるかを、入居のときに職員と話しておいてください。 元気な方が休む時間を作りやすくなります。
老々介護がつらくなったら、夫婦で入れる老人ホームを相談していい

相談の相手は、ケアマネか、地域包括支援センターです。
介護する側が、先に体調を崩すことがある

訪問リハビリや訪問看護で伺っていた自宅で、介護する側の配偶者が疲れていた家がありました。介護していた配偶者が、先に体調を崩した家もありました。
介護している親が「まだ大丈夫」と言っていても、疲れが見えたら、早めにケアマネに話してください。
家で介護を続けるのが難しくなってきたサインは、 【理学療法士18年が解説】在宅介護の限界サイン7つと共倒れを防ぐタイミング で解説しています。
急なときや、すぐに決められないときは、ショートステイを使う
ショートステイは、施設に短い期間泊まって、介護を受けるサービスです。 介護する親が体調を崩したときや、休みたいときに使えます。 介護する親が休むあいだに、施設に入るかどうかを家族で考えられます。

介護していた配偶者が体調を崩したとき、介護されていた方は、ケアマネが手配したショートステイなどに入りました。
ショートステイの使い方は、 ショートステイ(短期入所)について で解説しています。
夫婦で入れる老人ホームで、片方が亡くなったり介護が重くなったりしたとき

部屋の扱いと、住み続けられるかは、施設の決まりと種類しだいです。
1人になったときの部屋と料金は、施設の決まりで変わる
2人部屋のまま暮らせる施設もあれば、1人部屋へ移る施設もあります。 入居の前に聞いておくことは、こちらにまとめました。
介護が重くなったときに住み続けられるかは、施設の種類で違う
国の指針では、有料老人ホームの種類ごとに、介護が必要になったときの暮らし方が示されています。

サ高住で入居後に困りやすいことは、 【徹底解説】サ高住で後悔する人の特徴7選 2402人の調査データを活用 で解説しています。
夫婦で入れる老人ホームを見学するときに聞く5つのこと

見学では、次の5つを施設に聞いてください。

2人部屋の空きと、空きを待つ間の過ごし方
2人部屋に空きがないときは、別々の部屋で先に入り、空いたら移れるかを聞いてください。
2人の介護度が違っても入れるか
2人の介護度を伝えて、入居できるかを確かめておくと安心です。
1人になったときの部屋と料金
2人部屋に住み続けられるか、1人部屋へ移るのかと、そのときの料金を聞いておきます。
介護が重くなっても住み続けられるか
介護が重くなったときや、医療の処置が必要になったときに、同じ施設で暮らせるかを聞いてください。
あとから配偶者が入れるか、別々の部屋にできるか
今は片方だけが入る場合も、あとから配偶者が入れるかを聞いておくと、先の暮らしを考えやすくなります。 同じ部屋が合わなくなったときに、別々の部屋へ移れるかも確かめておきます。
見学の前に、夫婦で入れる施設の候補を絞っておくと、聞くことに時間を使えるのでおすすめです。
施設の探し方の全体の流れは、 【2026年最新】親の老人ホーム選びで後悔しない 施設6種類の比較から資料請求まで理学療法士18年が完全ガイド で解説しています。
夫婦で入れる老人ホームのよくある質問

夫婦で老人ホームに入れるのは、何歳からですか?
- Q夫婦で老人ホームに入れるのは、何歳からですか?
- A
A 施設の種類で違います。サ高住とケアハウスは、原則60歳以上です。サ高住は要支援・要介護の認定があれば60歳未満でも入れ、配偶者は同居する人として一緒に住めます。有料老人ホームの入居できる年齢は、施設ごとの決まりです。
夫婦で老人ホームに入れるのは、何歳からですか?
- Q夫婦で老人ホームに入れるのは、何歳からですか?
- A
年齢ごとに入れる施設は、 【理学療法士18年が解説】老人ホームは何歳から?60代で入れる施設と年齢別の判断ポイント で解説しています。
認知症でも、夫婦で入れますか?
- Q認知症でも、夫婦で入れますか?
- A
入れる施設はあります。認知症の方を受け入れているかは施設ごとに違うので、見学のときに、症状と2人の体の状態を伝えて聞いてください。
夫婦で入ってから世帯を分ければ、費用は安くなりますか?
- Q夫婦で入ってから世帯を分ければ、費用は安くなりますか?
- A
夫婦で入ってから世帯を分ければ、費用は安くなりますか? A 特養などの食費と部屋代を軽くする仕組みでは、世帯を分けても、配偶者の所得や預貯金は判定に入ります。国の申請書の様式には、次のように書かれています。
この申請書における「配偶者」については、世帯分離をしている配偶者又は内縁関係の者を含みます。
出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1532」(2026年7月31日・介護保険負担限度額認定申請書の注意事項)
世帯を分けるかどうかは、市区町村の介護保険の窓口で相談してください。
まとめ 夫婦で入れる老人ホームは、同じ部屋でも別々でも選べる

最後に、この記事の要点です。
- 夫婦で入れる老人ホームの選び方は3つ
- 施設の種類は、2人の体の状態で選ぶ
- 費用は、2人部屋と1人部屋2つを見比べる
- 見学では、施設に5つを聞く
同じ部屋にこだわらなくても、夫婦の暮らし方は選べます。 まずは、2人の体の状態と、両親の「どう暮らしたいか」を家族で話してみてください。

訪問で伺っていた住宅型の有料老人ホームでは、夫婦ごとに暮らし方が違いました。同じ部屋の夫婦も、別々の部屋の夫婦も、あとから配偶者が入った夫婦もいました。

