【理学療法士18年が解説】介護サービスは元気なうちから!早めに使う5つの理由と始めどき

介護サービスは元気なうちから!早めに使う5つの理由と始めどき ご家族向け
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娘さん
娘さん

まだ自分で歩けるし、家のこともできている。サービスなんて、まだ早い気がする。

息子さん
息子さん

親に「他人の世話にはならない」と言われて、何も進められない。

そう感じて、手が止まっていませんか。

介護サービスを「いつから使えばいいのか」。その見極めには、はっきりとした目安があります。

理学療法士として18年、訪問看護ステーションで10年以上、たくさんのご家庭の在宅介護を見てきました。その経験から言えるのは、「自分でできるうちは使わない」より「できるうちから少しずつ使う」ほうが、親御さんも家族もずっとラクになるということです。

介護サービスを早めに使う5つの理由
  • 親御さんが「他人に頼ること」に慣れる
  • 家族が抱え込まず、共倒れを防げる
  • 「できること」を保て、自立を長く残せる
  • 体調が悪化したとき、対応しやすくなる
  • 相談できる専門職とのつながりができる

この記事を読むことで、「まだ早いかな」という迷いが、「今のうちにやっておこう」という具体的な一歩に変わっています。

親御さんの「できる」を守り、あなた自身の暮らしを守るために、早めの一歩を踏み出してください。

しやに

理学療法士免許を取得し、18年従事。
法人内の異動で経験を積む。
維持期の病院:1年間
急性期の病院:1年間
介護老人保健施設(入所・通所兼務):4年間
訪問リハビリ:2年間
訪問のリハビリを継続したいため、訪問看護ステーションに転職し、10年経過。

このブログでは、現役の理学療法士として培った
実践的な知識をもとに、訪問看護・リハビリ・
介護保険制度についてわかりやすく解説しています。

【保有資格】
・理学療法士
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・福祉住環境コーディネーター2級

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介護サービスは「元気なうち」から使うのが正解

介護サービスは「元気なうち」から使うのが正解

結論から言います。

介護サービスは、親御さんが元気なうちから少しずつ使うのが正解です。

多くの方は「自分でできるうちは、なるべく使わないほうがいい」と考えます。でも、現場で見てきた答えは逆でした。

Xで37万回以上読まれた投稿があります。5年間お母さんを介護し、続けてお父さんも介護した女性の言葉です。

(X / @tattsun_cw さんの投稿より)

引用:Xの投稿

「できるうちからサービスを使い、他人のお世話になることに慣れてもらう」

この方は、お母さんの時は「まだ大丈夫」と家族だけで介護を続けました。けれど、いざサービスが必要になった時、お母さんは知らない人の世話をどうしても受け入れられませんでした。

一方、お父さんの時は、まだ自分でできることが多い段階からヘルパーやデイサービスを使いました。その結果、最後は施設入居までスムーズに進んだそうです。

しやに
しやに

私が訪問してきたご家庭でも、ぎりぎりまで家族だけで抱えたお宅ほど、いざという時に大きく揺れます。早く始めた家ほど、慌てずに済んでいました。

介護サービスを早めに使う5つの理由

介護サービスを早めに使う5つの理由

なぜ「早め」がいいのか。理由は5つあります。

親御さんが「他人に頼ること」に慣れられる

人は知らない相手に体を預けることに抵抗があります。これは年齢を重ねるほど強くなります。

元気なうちから少しずつ関わっておくと、「この人なら大丈夫」という安心が育ちます。本当に助けが必要になった時、すんなり受け入れられます。

どんなサービスがあるかは、デイサービスとは?目的や使い方をやさしく解説で確認できます。

家族が抱え込まず、共倒れを防げる

介護は、始まると一気に時間を奪います。気づくと、家族が自分の予定を全部けずっていることがあります。

早めにサービスを入れておくと、その負担を分け合えます。あなたが倒れてしまっては、介護は続きません。

仕事を続けながら介護したい方は、仕事と介護は両立できる!介護離職を防ぐ5つのコツと支援制度4つ もあわせて読んでみてください。

しやに
しやに

「自分が我慢すればいい」と頑張る方ほど、心配です。頼ることは、わがままではありません。

「できること」を保て、自立を長く残せる

これは理学療法士として、いちばん伝えたいことです。

人の体は、使わないと驚くほど早く衰えます。家族が良かれと思って全部やってあげると、かえって「できること」が減っていきます。

デイサービスやリハビリを早めに使うと、歩く・動く機会が保てます。結果として、自分でできる時間が長く続きます。

急に体調が悪化したとき、移りやすくなる

介護は、ある日とつぜん体調が悪くなることがあります。

先にケアマネージャーやサービスとつながっていれば、すぐに動けます。ゼロから探す状態だと、間に合わないことがあります。

体調や生活の変化が見えてきたら、在宅介護の限界サインと共倒れを防ぐタイミングもあわせて読んでおくと安心です。

相談できる専門職とのつながりが先にできる

早く動く最大のメリットは、「相談できる人」が先にできることです。

ケアマネージャーや事業所とつながっておけば、困った時にすぐ聞けます。介護は、知っているかどうかで負担が大きく変わります。

しやに
しやに

私たち専門職は、早く出会えた家族ほど、たくさんお手伝いできます。「まだ早いかな」で連絡をくれた方を、断ったことは一度もありません。

いつから使う?介護サービスの始めどきサイン6つ

いつから使う?介護サービスの始めどきサイン6つ

では、具体的にいつから動けばいいのか。次のサインが一つでも出たら、始めどきです。

介護サービスの始めどきサイン
  • 要支援・要介護の認定を受けた、または受けられそう
  • 同じことを何度も聞くようになった
  • 薬の飲み忘れ、火の消し忘れが増えた
  • 家族が自分の予定をけずって世話をする
  • 親が「まだ大丈夫」と世話を強く断る
  • 遠くに住んでいて様子が見えず不安

もの忘れだけでなく、急に怒りっぽくなる、人が変わったように感じる時は、【理学療法士18年が解説】認知症で親の性格が変わった?怒りっぽくなる理由3つと家族の対応5選 もあわせて読んでみてください。

一つでも当てはまるなら、まずは地域包括支援センターに相談してみてください。市区町村にある、介護の最初の相談窓口です。電話一本で大丈夫です。

要介護認定の申請も、この窓口で案内してもらえます。認定が出れば、費用の多くを介護保険でまかなえます。

しやに
しやに

「相談=すぐサービス開始」ではありません。話を聞くだけでも大丈夫です。情報を持っておくだけで、心がずっと軽くなります。

【現場のリアル】介護サービスを使い始める本当のタイミング

【現場のリアル】介護サービスを使い始める本当のタイミング

ここまで「早めに」とお伝えしてきました。でも現場で見ていると、自宅で元気なうちから始める方は、実はそう多くありません。

多くのご家庭は、何か困りごとが起きてから動き出します。

多くは「困りごとが起きてから」始めている

実際に相談につながるのは、こんなことが起きた後が多いです。

  • 家の中や外で、転ぶことが増えた
  • トイレが間に合わないことが出てきた
  • 火の消し忘れや、鍵の紛失が増えた
  • 「お金や物を盗られた」と思い込む
  • お金の管理が難しくなった
  • 騒音やにおいでトラブルが起きた

すでに生活に支障が出ているサインです。ここまで来てからでは、本人も家族も、かなり大変になっています。

本当は、この一つ手前で動けると、ぐっとラクになります。「困ってから」ではなく「気になったら」で十分です。

もう一つの入口は「入院から、自宅に戻るとき」

転んだり、持病が悪くなったりして入院し、自宅に戻るタイミングで始める方も多いです。

退院が決まると、多くの方はこう感じます。

娘さん
娘さん

家に帰れるなら、それでいい。介護サービスのことは、今は考えられない。

しやに
しやに

その気持ちは、とてもよく分かります。でも、ここが大事な分かれ道です。

入院中は、ほとんどの方がリハビリを受けています。
問題は、退院した後です。近年は、病院に通って受けるリハビリ(外来リハビリ)を受けられる場が減っています。そのため、退院後のリハビリは介護サービスで続けるのが、今の流れです。

医療機関と介護サービスのリハビリの違い

「もっと良くなりたい」という気持ちが本人やご家族に強いほど、自宅でも入院中と同じようなリハビリを希望されます。そのタイミングで、介護サービスを始める方も多いです。

しやに
しやに

「退院後も個別でしっかりリハビリを続けたい」という方には、訪問リハビリや訪問看護からのリハビリ職の訪問をご案内することが多いです。

退院した後こそ、早めの見直しを

退院してしばらくは、状態が大きく変わらないことも多いです。

しかし、自宅での過ごし方によっては、少しずつ転ぶことが増えたり、立つ・歩く・着替えるといった毎日の動作(日常生活動作)が落ちたりすることがあります。

だからこそ、退院のタイミングだけでなく、在宅で暮らしながらも早めに見直すことに、大きな意味があります。今の生活を保つための、いちばん確実な備えになります。

親がサービスを嫌がるとき、無理なく始める4つのコツ

親がサービスを嫌がるとき、無理なく始める4つのコツ

「他人の世話にはならない」。そう言って、親御さんが嫌がることはよくあります。無理に進めると、かえってこじれます。

大切なのは、正解を押しつけないことです。本人が納得して受け入れられるよう、小さく始めましょう。

無理なく始める4つのコツ
  • いきなり契約せず、見学や体験から始める
  • 「お試し」「期間限定」と伝えて、ハードルを下げる
  • 専門職に「きっかけ役」をお願いする
  • 「あなたのため」より「私(家族)が助かるから」と伝える

「あなたのため」と言うと、「自分はまだできる」と反発されがちです。「私が安心したいから」と伝えると、すっと受け入れてもらえることがあります。

最初の一歩には、自宅に来てもらう訪問介護サービスとは?できることを解説から始める方法もあります。慣れた家での支援は、抵抗が少なくて済みます。

しやに
しやに

ある利用者さんは、デイを「行きたくない」と断っていました。でも「お風呂だけ入りに行ってみませんか」と誘うと通い始め、今では一番の楽しみになっています。きっかけは、小さくていいんです。

早めに動くと、家族の暮らしはこう変わる

早めに動くと、家族の暮らしはこう変わる

早めにサービスを使うと、暮らしは変わります。

自分の時間が戻ってきます。仕事や子育てとの両立も、ぐっとラクになります。何より、親子で過ごす時間が「世話」だけでなくなり、穏やかになります。

一人で背負い込んでいると感じているなら、ワンオペ介護の限界と抜け出す方法も読んでみてください。抜け出す道は、必ずあります。

しやに
しやに

介護は、長い道のりです。早く頼った家族ほど、最後まで笑顔が残っていました。

よくある質問

質疑応答
Q
介護サービスは、要介護認定がないと使えませんか?
A

多くのサービスは認定が必要です。ただ、認定前でも地域包括支援センターで相談はできます。まずは申請から始めましょう。認定には1か月ほどかかるため、早めの申請がおすすめです。認定前でも暫定的にサービスを利用することができます。

Q
親が「お金がもったいない」と嫌がります。
A

介護保険を使えば、自己負担は原則1〜3割です。思っているより少ない負担で使えることが多いです。費用が不安な時も、地域包括支援センターで金額の目安を教えてもらえます。

Q
まだ元気な親に、どう切り出せばいいですか?
A

「あなたのため」ではなく「私が安心したいから」と伝えるのがコツです。見学や体験など、小さな一歩から誘ってみてください。本人が断っても、責めずに待つことも大切です。

Q
デイサービスと訪問介護、どちらから始めるべきですか?
A

家の外に出るのが好きな方はデイサービスが向いています。訪問介護は料理、掃除などの家事の援助、入浴の介助など自宅にいながらサービスを受けることができます。困っていることや本人の性格に合うほうから始めると、長続きします。迷う時は、ケアマネージャーに相談してください。

Q
早く使うと、親が「自分で何もしなくなる」のでは?
A

逆です。適切なサービスは、できることを奪わず、むしろ保ちます。理学療法士として見てきても、早めにリハビリやデイを使った方のほうが、自分でできる時間が長く続いています。訪問介護についても、「自分でできることは援助せず、必要最小限の援助」という基本姿勢で対応してくれます。厚労省は平成30年に、訪問介護における「自立生活支援のための見守り的援助」を明確化する通達を出しています。

まとめ

まとめ

介護サービスは、元気なうちから早めに使うのが正解です。

  • 早く使うと、親御さんが他人に頼ることに慣れられる
  • 家族が抱え込まず、共倒れを防げる
  • 「できること」を保て、自立を長く残せる
  • 急に体調が悪化したとき、移りやすくなる
  • 相談できる専門職とのつながりが先にできる

始めどきのサインが出たら、まずは地域包括支援センターに電話してみてください。聞くだけでも大丈夫です。

「まだ早い」と思う今こそ、いちばん動きやすい時期です。完璧な正解を探す必要はありません。あなたとご家族が納得して選べることが、何より大切です。

しやに
しやに

早すぎる相談は、ありません。あなたが「気になった今」が、いちばんの始めどきです。

この記事を書いた人
しやに

理学療法士免許を取得し、18年従事。
法人内の異動で経験を積む。
維持期の病院:1年間
急性期の病院:1年間
介護老人保健施設(入所・通所兼務):4年間
訪問リハビリ:2年間
訪問のリハビリを継続したいため、訪問看護ステーションに転職し、10年経過。

このブログでは、現役の理学療法士として培った
実践的な知識をもとに、訪問看護・リハビリ・
介護保険制度についてわかりやすく解説しています。

【保有資格】
・理学療法士
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・福祉住環境コーディネーター2級

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