
夜勤明け、帰りの電車で立ったまま眠りかけた。この生活をあと何年続けるんだろう。

夜勤のたびに生活リズムが崩れる。体調も、家族との時間も削られていく気がする。
「看護師 夜勤 つらい 辞めたい」と検索するのは、看護師を辞めたいからではなく、夜勤のある生活を辞めたいからではありませんか?
はじめにお伝えしておきます。
私は理学療法士で、夜勤の経験はありません。
この記事は、訪問看護ステーションで10年以上働くなかで、夜勤のある病棟から在宅の現場へ移ってきた看護師たちに、実際に聞いた言葉をもとに書いています。
良い面だけでなく、「病棟のほうがよかった」という声も含めてお伝えします。
※本記事は、理学療法士として訪問看護ステーションに勤務するなかで、同僚の看護師から聞いた内容をもとにしています。夜勤や看護師固有の業務について、筆者自身の経験ではありません。また、以下は個人の感想であり、すべての看護師や訪問看護ステーションに当てはまるものではありません。
看護師が夜勤をつらいと感じるのは、甘えではありません

夜勤を含む交代勤務では、睡眠をとる時間帯が変わるため、眠りにくさや疲労の抜けにくさを感じることがあります。
厚生労働省も、夜勤明けに朝方から眠ろうとしても寝付けない、途中で何度も目が覚める、起床後に疲労回復感が乏しいといった状態が起こりうると説明しています。参考:厚生労働省e-ヘルスネット「交代勤務睡眠障害
夜勤による影響には個人差があります。
それでも、「みんなやっているから」「夜勤手当があるから」と、つらさを自分の甘えだと決めつける必要はありません。
訪問看護へ移ってきた看護師からは、「もっと早く働き方を見直してもよかった」という趣旨の話を何度も聞きました。

体の回復には、眠る時間帯が関係します。つらいという感覚は、働き方を見直すきっかけの一つです。限界になるまで我慢する必要はないと思います。
ただし、眠れない、疲労が抜けない、気分の落ち込みが続くなど、すでに心身の不調が出ている場合は、転職活動よりも休養を優先してください。
上司や産業医、医療機関のほか、厚生労働省のこころの耳でも、働く人の心の健康について相談先を案内しています。
「看護師を辞めたい」と「夜勤を辞めたい」を分けて考える

ここで一度、立ち止まって整理してみてください。
あなたが辞めたいのは、看護の仕事そのものですか。
それとも、夜勤のある生活ですか。
患者さんと関わる仕事は好きだけれど、夜勤のある生活は限界。
そうであれば、辞めるべきなのは看護師ではなく、夜勤のある働き方かもしれません。

資格を手放さずに、働き方だけを変える道があります。
転職を決める前に、今の職場で夜勤を減らせないか確認する

夜勤がつらいからといって、必ずしも今の職場を辞める必要はありません。
職場によっては、次のような調整ができる場合があります。
看護職の働き方については、日本看護協会も多様な夜勤形態の導入や、夜勤回数の増減を含む情報を発信しています。参考:日本看護協会「看護職の働き方改革」
どの制度が使えるかは職場によって違います。
まずは看護部や上司へ、利用できる制度や異動の可能性を確認してみてください。
それでも状況が変わらない場合は、転職という選択肢を具体的に検討してみてください。

今の職場に残るか転職するかの二択ではありません。夜勤の回数を減らす、日勤へ異動するという中間の選択肢もあります。
看護師が夜勤なしで働ける3つの選択肢

夜勤なしで働きたい看護師の主な選択肢は、大きく3つあります。
- 日勤中心の外来やクリニック
- デイサービスなどの日中の介護施設
- 訪問看護
それぞれ、仕事内容や給与、夜間対応の有無が異なります。

選択肢1 日勤中心の外来やクリニック
外来やクリニックには、夜勤なしで働ける求人があります。
これまでの病棟経験を活かしやすく、医療機関で働き続けたい方の選択肢になります。一方で、土曜勤務、夕方以降の診療、診療終了後の残業がある職場もあります。
「日勤のみ」と書かれていても、勤務の終了時刻や残業時間まで確認してください。
選択肢2 デイサービスなどの日中の介護施設
デイサービスは、日中のみの勤務が中心です。
利用者さんの健康管理、服薬の確認、医療的ケアなどを担当します。生活リズムを整えやすい一方で、職場によっては介護業務や送迎の補助を求められることがあります。
病院と比べて医療処置を行う機会が少ない場合もあるため、仕事内容と給与の両方を確認してください。
選択肢3 訪問看護
訪問看護も、通常の訪問時間は日中です。
利用者さんのご自宅を訪問し、病状の観察、医療的ケア、服薬の管理、ご家族への支援などを行います。ただし、事業所によっては営業時間外の電話相談や緊急訪問に対応する「オンコール」があります。
夜勤はなくても、夜間の対応が完全になくなるとは限りません。
以下では、夜勤のある病棟から訪問看護へ移った看護師たちに聞いた話を、良い面と大変な面の両方からお伝えします。
訪問看護へ移った看護師から聞いた変化4つ

生活リズムを整えやすくなった
私が話を聞いたなかで、特に多かったのが生活リズムの変化です。
仕事の時間が日中になり、夜の時間帯に眠れるようになったことで、以前より生活リズムを整えやすくなったと話す看護師がいました。
夜勤明けの日を休養に使わなくなり、休日を自分や家族のために使えるようになったという声もありました。
私の職場では、急な休みを相談しやすくなった
子育て中の看護師からは、子どもが熱を出したときに、以前より休みを相談しやすくなったという話を聞きました。
私の職場では子育て中の職員が複数いるため、家庭の事情を相談しやすい環境があります。ただし、人間関係や休みやすさは、職員数や事業所の雰囲気によって異なります。
少人数の事業所では、かえって休みにくい場合もあるため、面接で確認してください。
私の職場では、土日祝日の予定を立てやすい
私が勤務している訪問看護ステーションは、土日祝日が固定休です。
そのため、家族との予定や余暇活動の計画を立てやすくなったと話す看護師もいます。
ただし、土日祝日も通常の訪問を行う事業所や、交代で出勤する事業所もあります。
「訪問看護だから土日祝日は休み」とは限りません。
夜勤を辞めても、年収を大きく下げずに済んだ人もいた
同僚のなかには、訪問看護へ移ったことで基本給が上がり、夜勤手当がなくなっても年収を大きく下げずに済んだ人がいました。
一方で、病棟時代より収入が下がる人もいます。
給与を比較するときは、基本給だけでなく、次の項目まで確認してください。
求人票の「モデル給与」だけでなく、その金額になる条件まで確認することが大切です。
訪問看護には「オンコール」という別の負担があります

ここからは、良い面だけではない話です。
訪問看護ステーションによっては、夜勤はなくてもオンコールの当番がある場合があります。
夜勤とオンコールは、負担の性質が異なります。
病棟では、急変時に同僚や医師へその場で相談できる場合があります。
一方、オンコールでは、利用者さんやご家族からの電話を受け、緊急の訪問が必要かどうか、最初の判断を求められる場面があります。
こうした話を、当番を担っている看護師から聞いてきました。
一方で、オンコールの待機手当や出動手当が支給される事業所もあります。手当の金額や支給の条件は事業所によって大きく異なります。

「夜勤がないから楽」とは言い切れません。夜勤とは別の緊張があるというのが、現場で聞く実感です。ただし、当番回数や相談体制は職場によって違います。
オンコールの負担と、その減らし方については、【不安解消】訪問看護のオンコールがきつい理由と、負担を減らす4つの視点【理学療法士18年】で詳しく解説しています。
訪問看護へ移った看護師が、最初に驚くこと

病棟との違いとして、次の2つをよく聞きます。
ケアの工夫と物品管理
在宅では、病院で共有されている標準的な手順を、そのまま各家庭へ当てはめることが難しい場合があります。
たとえば、カテーテルや吸引に使用する物品の管理、排便ケアの方法などです。
病院で指導を受けたご家族でも、在宅での生活を続けるなかで、物品の置き場所や介助の手順を工夫していることがあります。
もちろん、安全面や感染対策として守るべき点はあります。ご本人やご家族が無理なく続けられる方法を一緒に考えることが必要です。
信頼関係によって、助言の受け止め方が変わる
専門職が正しい内容を伝えれば、必ず受け入れてもらえるとは限りません。
ご本人やご家族が大切にしていること、これまでの経過、専門職との信頼関係によって、提案の受け止め方は変わります。
訪問先は、利用者さんの生活の場です。病院での方法を一方的に求めるのではなく、ご本人・ご家族と専門職の双方が納得できる形を探す必要があります。

ここは職種を問わず、在宅へ出た人が最初にぶつかる壁だと思います。私自身も同じ経験をしました。正しい説明だけでは、信頼関係は築けません。
「病棟のほうがよかった」という声もあります

訪問看護へ移った全員が、「転職してよかった」と話しているわけではありません。
病棟のほうが自分に合っていたと話す方もいました。
理由は、次のようなものです。
とくに、一人で判断することに強い不安がある方は、病棟のほうが合っていたと話していました。
少人数で運営されている事業所では、人間関係や管理者の方針が働きやすさに影響することがあります。

訪問看護が、すべての看護師にとって正解ではありません。チームで相談しながら進めたい方には、病棟や外来のほうが合っている場合もあります。
一人で訪問する不安については、【不安解消】訪問看護の一人訪問が不安…独り立ち前に確認したい3つの体制【理学療法士18年】でも解説しています。
訪問看護へ転職する前に確認したい4つの項目

訪問看護へ転職する場合は、求人票の「夜勤なし」だけで判断しないことが大切です。
面接では、次の項目を確認してください。
オンコールについて
日中の業務について
記録の時間については、【解決策】訪問看護の記録が終わらない4つの原因と残業を減らす対策2点【理学療法士18年】で詳しく解説しています。
教育体制について
教育体制の見極め方は、【不安解消】訪問看護の一人訪問が不安…独り立ち前に確認したい3つの体制【理学療法士18年】にまとめています。
給与について
給与の仕組みそのものは、【不安解消】訪問看護の給料は本当に安い?年収の実態と手取りを増やす3つの方法【理学療法士18年】で解説しています。
「オンコールなし」の求人もあります。夜勤もオンコールも避けたい場合は、最初からその条件で探してみてください。
未経験から訪問看護へ転職するときの求人サービスについては、訪問看護ステーションに転職するなら?未経験・ブランクOKの求人サービスと働き方を徹底解説【看護師向け】にまとめています。
年齢に不安がある方は、【不安解消】訪問看護は何歳まで働ける?40歳以上が7割の実態と長く働き続ける工夫5つ【理学療法士18年】も参考にしてください。
よくある質問

- Q夜勤を辞めると、収入はどのくらい下がりますか?
- A
職場によって異なります。夜勤手当がなくなる一方、訪問看護には訪問件数に応じた手当や、オンコールの待機・出動手当がある事業所もあります。基本給だけでなく、賞与や各種手当を含めた想定年収で比較してください。
- Q夜勤がつらいのは、甘えではないでしょうか?
- A
甘えと決めつける必要はありません。交代勤務によって睡眠をとる時間帯が変わると、眠りにくさや疲労の抜けにくさが生じる場合があります。つらさが続いている場合は、無理をせず、上司や産業医、医療機関へ相談してください。
- Q病棟経験しかなくても、訪問看護へ転職できますか?
- A
病棟経験を活かして応募できる求人はあります。ただし、求められる経験や教育体制は事業所によって異なります。同行訪問の期間だけでなく、独り立ちの判断基準や、オンコールを始める時期まで確認してください。
- Qオンコールは夜勤と同じくらい大変ですか?
- A
夜勤とは負担の性質が異なります。オンコールは待機が中心ですが、電話相談や緊急訪問が必要になる場合があります。当番回数、実際の電話や出動の件数、相談体制によって負担は大きく変わります。
- Q夜勤もオンコールもない職場はありますか?
- A
あります。外来、クリニック、デイサービス、健診施設、オンコールなしの訪問看護などが候補になります。ただし、土曜勤務や残業がある職場もあるため、「夜勤なし」以外の条件も確認してください。
- Q夜勤を続けながら転職活動はできますか?
- A
体調に問題がなければ、働きながら求人を比較することは可能です。退職の前に求人を見ることで、給与や休日、教育体制を落ち着いて比べられます。ただし、眠れない、疲労が抜けない、気分が落ち込むなどの不調が出ている場合は、働き続けることを前提にせず、休養や専門家への相談を優先してください。
まとめ 夜勤を辞めることは、看護師を辞めることではありません

この記事の要点です。
看護師という資格を手放す前に、働き方を変える道を検討してみてください。
すぐに退職を決めなくても、できることはあります。

訪問看護の現場には、夜勤のある病棟から移ってきた看護師がいます。夜に眠れる生活の大きさを話す一方で、オンコールの緊張は別の負担だとも話しています。良い面と大変な面の両方を知ったうえで、自分に合う働き方を選んでほしいと思います。
自分で条件を比較したい方は、こちらから確認できます。
気になる求人があれば、事業所の公式採用情報と条件を照らし合わせてみてください。

