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【夏の暑さは湿度が原因!?】訪問看護の現場で伝えたい「体感温度」と熱中症の意外な関係

生活の知恵
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訪問看護の現場では、夏になると「今日も暑いですね」があいさつ代わりになりますよね。
けれども、気温がそこまで高くない日でも、なぜか汗が止まらない、息苦しい…そんな経験はありませんか?

その原因はズバリ「湿度」
実はこの湿度こそが、夏の不快感や熱中症のリスクを大きく左右しているのです。

本記事では、訪問看護職員が現場でご利用者やご家族に分かりやすく説明できるような例を交えながら、「湿度と暑さの関係」や「気をつけるべきポイント」をお伝えします。


1. 湿度が高いと、なぜ暑く感じるのか?

▷ 汗が蒸発しない=熱がこもる!

人間の体は、汗をかくことで体内の熱を逃がそうとします。
この「汗が蒸発する」過程で体温が下がるのですが、湿度が高いと空気中に水分が多すぎて汗が蒸発しづらいんです。

その結果…

  • 体の熱が逃げずにこもる
  • 汗をかいてもベタつくだけ
  • 気温よりも暑く感じる(=体感温度が高くなる)

たとえば、気温が28℃でも湿度が80%あると、体感温度は35℃近くに感じることがあります。


▷ 訪問先での説明例(ご利用者向け)

「今日は気温が28℃って天気予報で言ってましたけど、湿度が高いから実際には35℃ぐらいに感じるんですよ。汗がうまく蒸発できなくて、身体の中に熱がこもってる状態なんです」

このように気温と湿度の違いを、実際の体感で説明すると伝わりやすいですね。


2. 「暑さ指数(WBGT)」を活用しよう

▷ 暑さを数値で把握する時代

「今日は暑いなぁ…」という“感覚”だけで判断せず、近年では**暑さ指数(WBGT)**という指標を使って熱中症の危険度を測るようになっています。

WBGTとは?

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は、

  • 気温(乾球温度)
  • 湿度(湿球温度)
  • 輻射熱(黒球温度)

の3つを組み合わせて算出される「人体が感じる熱環境」を示す温度です。

▷ 暑さ指数の目安

WBGT値(℃)危険度対応例
31℃以上危険原則中止・中断、冷房内で安静
28~31℃厳重警戒激しい活動は控え、こまめな休憩
25~28℃警戒水分補給を忘れず、徐々に体を慣らす
~25℃注意基本的には安全だが油断禁物

環境省や気象庁のサイト・アプリでリアルタイム情報を確認可能


▷ ご利用者への伝え方のコツ

「テレビで“熱中症指数が危険レベル”って出てたら、気温より湿度が高い日かもしれませんね。今日はなるべくクーラーを使って、水分も少しずつ飲んでくださいね」

数字と行動をリンクさせて伝えると、ご高齢の方にも分かりやすく、行動に移しやすくなります。


3. 具体的な例で比べてみよう!「体感温度の違い」

ここで、実際の条件によってどれくらい体感温度が変わるのか、比べてみましょう。

ケース気温湿度体感温度感じ方
A(カラッとした夏の日)30℃40%約31℃暑いけれど、動きやすい
B(梅雨の曇天)30℃80%約37℃蒸し暑く、体がだるい
C(気温は低いが湿度が高い)26℃90%約33℃涼しいはずなのに汗だくに

体感温度は湿度が加わると一気に上がることが分かりますね。


4. 室内も危険!“湿度のワナ”に注意

訪問先では「今日はエアコンつけなくても大丈夫」と言われることがあります。
でも、実はこういうときこそ要注意。

  • 室温:28℃
  • 湿度:75%

この状態は体感温度35℃以上になっている可能性があり、特に高齢者は自覚しづらいのが特徴です。


▷ 家庭でできる湿度対策

  • 除湿機やエアコンの除湿モードを活用
  • 風通しをよくする(扇風機やサーキュレーター)
  • 湿度計を設置して数値で確認

▶ ご利用者の方には、

「温度だけでなく湿度を見るのがコツですよ」と一言添えると効果的です。


5. 暑さ×湿度から身を守るためのポイント3選

✅ 1. 服装を工夫する

 吸汗速乾素材、冷感インナー、ゆったりした通気性のある服

✅ 2. 定期的な水分&塩分補給

 汗が出なくても失われている水分に注意。麦茶+塩分タブレットなどが◎

入浴後は清涼飲料水にするなど水分だけでなく、塩分の摂取も大切

✅ 3. 行動前の“環境確認”を習慣に

 出発前にWBGTや湿度をチェック。無理な外出は避ける


まとめ:湿度を「見える化」すれば、命が守れる

「暑い=気温」だけではなく、“湿度”も体に大きな負担をかけていることを知っておくことが、夏の訪問ケアの安全性をぐっと高めます。

湿度が高いときには、

  • 自分の体調の変化に敏感になる
  • ご利用者さんの居住環境をチェックする
  • 実際の体感をもとに行動を調整する

これらを徹底することで、熱中症リスクはぐっと減らせます。

「今日は気温よりも“湿度”が危ない日です」
そんな一言が、ご利用者の命を守る一歩になるかもしれません。


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  • 携帯型温湿度計(WBGTチェック対応)
  • 冷感タオル/ネッククーラー
  • 速乾性インナー(スクラブの下にも◎)

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