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【紹介】リハビリにおける『ブルンストローム法』について

訪問看護
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ブルンストローム法とは?

ブルンストローム法は、脳卒中や脳損傷による片麻痺患者の運動機能回復を促進するためのリハビリテーションアプローチです。

この方法は、スウェーデンの理学療法士であるシグネ・ブルンストローム氏によって1960年代に開発されました。

ブルンストローム法では、脳卒中後の回復過程を6つ(または7つ)の段階に分け、それぞれの段階に応じたリハビリを行います。


ブルンストローム法の基本原則

1. 筋肉の相乗効果(シナジー)の活用

脳卒中後、筋肉は正常な連動ができなくなり、異常な筋肉の相乗効果(シナジーパターン)が現れます。

ブルンストローム法では、この異常なパターンを否定するのではなく、回復過程の一部として受け入れ、それを活用して運動機能を徐々に回復させます。

2. 回復は段階的に進む

運動機能の回復は特定の順序で進むとされます。初期段階では意図的な運動ができなくても、次第に筋緊張や痙性が現れ、最終的には正常な運動パターンへと移行します。

この段階的な回復過程を評価し、それに応じたリハビリを行うことが特徴です。


ブルンストロームステージ(6段階評価)

ブルンストローム法では、運動機能の回復過程を上肢・下肢・手指ごとに6つのステージで評価します。以下は各ステージの概要です。

1. ステージ1(弛緩性麻痺)

  • 筋肉が完全に弛緩し、自発的な運動が全くできない状態。
  • この時期には関節可動域を維持するための受動的運動が中心となります。

2. ステージ2(軽度痙性麻痺)

  • 軽度な筋緊張が現れ、共同運動(他の関節につられる動き)が見られる。
  • リハビリでは共同運動を利用して意図的な動きを引き出す訓練を行います。

3. ステージ3(痙性ピーク)

  • 痙性が最も強くなる時期。基本的な反射や共同運動が可能になる。
  • この段階では反射的な動きから意図的な制御へと移行する訓練を行います。

4. ステージ4(痙性軽減)

  • 痙性が軽減し、他の関節につられるパターンが少なくなる。
  • より複雑な動きや分離した関節運動(例:肘を伸ばしたまま腕を上げる)が可能になります。

5. ステージ5(分離運動)

  • 各関節が独立して動かせるようになり、よりスムーズな運動が可能。
  • 実生活で必要な細かい作業(例:ボタン留めや字を書く)の練習が行われます。

6. ステージ6(正常運動)

  • 運動機能がほぼ正常に戻り、複雑でスムーズな動作が可能になる。
  • この段階では日常生活や社会復帰に向けた実践的な訓練が中心となります。

ブルンストローム法によるリハビリ内容

各ステージに応じたリハビリ内容は以下の通りです:

ステージ1~2:初期段階

  • 筋肉や関節の可動域維持を目的とした受動的運動。
  • 軽度な筋刺激や感覚刺激を用いて筋肉活動を促進。

ステージ3:痙性ピーク時

  • 痙性を抑えながら日常生活で必要な基本的な運動能力を練習。
  • ゆっくりとした反復運動でスムーズな制御を目指す。

ステージ4~5:分離運動への移行

  • 分離した関節運動や細かい作業能力を高める訓練。
  • 筋力トレーニングやバランス訓練も取り入れる。

ステージ6:正常運動獲得後

  • 日常生活や仕事への復帰を目指した実践的トレーニング。
  • 歩行訓練や社会参加活動なども含む。

ブルンストローム法のメリットと課題

メリット

  1. 患者ごとの回復過程に応じた個別対応が可能。
  2. 具体的な目標設定ができるため、患者や家族も回復状況を把握しやすい。
  3. 異常パターンも肯定的に捉え、効果的に活用するアプローチ。

課題

  1. 現代では他の新しいリハビリ方法も普及しており、古典的とされる場合もある。
  2. ステージ評価には熟練したセラピストによる観察と判断が求められる。

まとめ

ブルンストローム法は、脳卒中患者の回復過程を科学的に分析し、それぞれの段階に応じたリハビリ方法を提供する画期的なアプローチです。

この方法は、患者自身だけでなく、その家族や医療スタッフにも有益であり、回復への道筋を明確化します。適切に活用することで、患者の自立支援と社会復帰への大きな助けとなるでしょう。

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