【解説】病院の診療科について（標榜：ひょうぼう）

病院の標榜科目とは、医療機関が患者に対して専門分野を示すために使用する診療科目の名称です。

これは医院の看板や広告に掲げることができ、患者が適切な診療を受けられるよう案内する重要な役割を果たします。

標榜科目の基本ルール

1. 単独で標榜できる診療科目が法律で定められています。
   例えば、内科、外科、小児科、皮膚科などが含まれます。
2. 麻酔科は特別で、厚生労働大臣の許可が必要です。
3. 単独の診療科目に、特定の部位、疾病、患者特性、医学的処置を組み合わせることができます。
   例えば、「呼吸器内科」や「脳神経外科」などです。
4. 医師免許があれば、麻酔科と歯科以外の科目は標榜できます。

標榜科目の組み合わせ

• 同じ分類の項目を組み合わせることはできません。
  例えば、「女性小児内科」は不可ですが、「女性内科・小児内科」は可能です1。
• 組み合わせは合理的である必要があります。「内科」と「整形」のような不自然な組み合わせは認められません。

歯科医院の標榜科目

歯科医院で標榜できる診療科目は以下の4つに限定されています：

1. 歯科
2. 小児歯科
3. 矯正歯科
4. 歯科口腔外科

注意点

1. 「審美歯科」や「インプラント歯科」などの表現は、正式な標榜科目としては使用できません。
2. 「〇〇センター」という名称は、特定の条件を満たす場合にのみ使用可能です。
3. 「インプラント施設併設」などの施設名は広告可能ですが、事前に保健所に確認が必要です。

まとめ

標榜科目の選択は、医師の専門性と社会通念に基づいて適切に行う必要があります。

患者に誤解を与えず、正しい診療が受けられるよう、慎重に選択することが重要です。