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【解説】介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)について

制度
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ホームヘルパー2級は、介護職の基本的な資格として知られていました。
この資格は、2013年の介護保険法施行規則改正により廃止され、現在は介護職員初任者研修に置き換えられています。

しかし、ホームヘルパー2級資格を持っている人は、介護職員初任者研修を修了したとみなされるため、依然として有効な資格として認められています。

取得方法

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の取得方法は以下の通りです:

  1. 130時間のカリキュラムを受講する。
  2. 修了テストに合格する。

受講方法

受講方法には2種類あります:

  1. 全て通学で受ける方法
  2. 通信講座と通学を組み合わせる方法

通信講座を利用する場合、最大40.5時間まで通信で受講可能ですが、残りの89.5時間は通学が必要です。

受講期間

受講期間は、通学頻度によって異なります:

  • 週4回通学の場合:約1ヶ月
  • 週1回通学の場合:約4ヶ月

費用

介護職員初任者研修の費用相場は5〜10万円程度です。

受講要件

介護の資格や経験がなくても受講可能です。

受講場所

都道府県から介護職員初任者研修事業者の指定を受けている資格スクールなどで受講できます。

仕事内容

主に2つの分野に分けられます:身体介護と生活援助です。

身体介護

身体介護は、利用者の身体に直接触れて行う介助のことを指します。
主な内容は以下の通りです:

  1. 食事介助
    • 安全で快適な食事をサポートします。
    • 誤嚥を防ぎ、適切な姿勢や食事形態を確認します。
    • 自助具の活用も考慮します。
  2. 排泄介助・オムツ交換
    • トイレへの移動介助や、オムツ交換を行います。
    • 利用者の自尊心や羞恥心に配慮しながら介助します。
  3. 入浴介助・清拭介助
    • 入浴や身体の清潔保持をサポートします。
    • 血圧変動や転倒リスクに注意しながら介助します。
  4. 更衣介助・身体整容
    • 着替えや身だしなみを整えるのを手伝います。
    • 可能な限り利用者自身で行えるよう促します。
  5. 移動介助・移乗介助
    • 歩行や車椅子への移乗などをサポートします。
    • 転倒防止に注意しながら、身体機能の維持・向上を目指します。
  6. 体位変換介助
    • 褥瘡予防のため、定期的に体位を変えます。
    • 2〜3時間ごとに行うのが一般的です。
  7. 服薬介助
    • 適切なタイミングと量で薬を服用できるようサポートします。
    • 誤嚥防止や副作用の確認も行います。

生活援助

生活援助は、利用者の身体に直接触れない家事支援のことを指します。
主な内容は以下の通りです:

  1. 掃除
    • 利用者宅や施設の規定に従って清掃を行います。
  2. 料理
    • 食材の買い出しから調理まで行います。
    • 利用者の調理支援も行います。
  3. 洗濯
    • 洗濯、乾燥、たたみ、収納までを行います。
  4. ゴミ出し
    • 地域の規定に従ってゴミ出しを行います。
  5. ベッドメイキング
    • ふとんやマットレスの手入れ、シーツ交換を行います。
  6. 買い物
    • 日用品の買い物代行を行います。
  7. 衣服の整理・修繕
    • 衣服の修繕や整理整頓を行います。
  8. 薬の受け取り
    • 調剤薬局や病院で薬を受け取ります。

給料と就職先

平均給料は以下の通りです:

職種平均年収平均月収平均賞与
訪問介護従事者370万円26.8万円48.4万円
介護職員(医療・福祉施設など)360万円25.6万円51.9万円
看護助手318万円22.2万円51.2万円

この資格を持つ人が活躍できる就職先は多岐にわたります:

  • 訪問介護
  • デイサービス
  • ショートケア
  • ショートステイ
  • グループホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 病院1

資格の重要性

介護職のスタートラインとなる重要な資格です。
介護の基本的な知識と技術を身につけることができ、介護の現場で即戦力として活躍することができます。

資格取得後も、経験を積みながら更なる資格取得を目指すことで、キャリアアップの道が開かれています。

例えば、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネージャー)などの上位資格を取得することで、より専門的な知識と技術を身につけ、責任ある立場で働くことができます。

介護職の重要性と今後の展望

日本の高齢化が進む中、介護職の需要は今後さらに高まると予想されています。
厚生労働省の推計によると、2025年には約38万人の介護職員が不足すると言われています。

このような状況下で、介護職員初任者研修の資格を持つ人材の重要性は非常に高くなっています。

介護職は、単に身体的なケアを行うだけでなく、利用者の尊厳を守り、生活の質を向上させる重要な役割を担っています。高齢者や障害者が住み慣れた地域で自分らしく生活できるよう支援することは、社会的にも大きな意義があります。

また、テクノロジーの進歩により、介護ロボットやICTの導入が進んでいます。これにより、介護職の身体的負担が軽減されるとともに、より効率的で質の高いケアが可能になると期待されています。このような変化に対応できる柔軟性と学習意欲も、これからの介護職には求められるでしょう。

まとめ

介護職員初任者研修は、介護職として働くための基本的な資格です。身体介護と生活援助の両面から利用者をサポートし、その人らしい生活を支える重要な役割を担っています。

この資格は、介護の世界への入り口として位置づけられており、経験を積みながら更なるスキルアップを目指すことができます。介護職は、高齢化社会において不可欠な職業であり、今後ますますその重要性が高まると予想されています。

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