【解説】医療事務管理士技能認定試験ってどんな資格になるの？

医療事務管理士技能認定試験は、医療事務の専門知識とスキルを証明する重要な資格試験です。

この試験は、医療機関での事務業務に必要な知識や能力を評価し、合格者に医療事務管理士の称号を与えるものです。

資格の概要

医療事務管理士技能認定試験は、技能認定振興協会(JSMA)が実施する民間資格試験です。

昭和49年に始まった日本初の医療事務関連資格であり、長い歴史と高い認知度を持っています。

この試験には医科と歯科の2種類があり、それぞれ別個の試験として実施されています。
両試験とも「学科」と「実技」の2つの部分から構成されており、どちらも合格する必要があります。

専門知識とスキルの証明
医療事務管理士の資格を取得することで、医療保険制度、診療報酬請求、医学一般などの専門知識を持っていることを証明できます。これは就職や転職の際に大きな強みとなります。
キャリアアップの可能性
資格取得により、正確な診療報酬の算定などの高度な業務だけでなく、後輩社員の教育やチーム全体の管理といった役割も担えるようになります。これにより、職場での信頼度が高まり、キャリアアップの機会が増えます。
金銭的メリット
一部の医療機関では、資格保持者に対して資格手当を支給するなど、金銭的な優遇措置を設けています。
幅広い受験資格
年齢、性別、学歴、経歴に関係なく誰でも受験できるため、医療事務に興味がある人なら誰でもチャレンジできます。
柔軟な受験方法
インターネット試験（IBT）の導入により、好きな時に好きな場所で受験できるようになりました。これにより、仕事や学業と両立しながら資格取得を目指すことができます。

試験の難易度
試験の難易度は比較的高く、合格するためには十分な準備と学習が必要です。特に実技試験では、レセプト作成や点検など実践的なスキルが求められます。
継続的な学習の必要性
医療制度や診療報酬制度は定期的に改定されるため、資格取得後も継続的な学習が必要となります。
資格の更新
この資格には更新制度がないため、最新の知識やスキルを維持するための自己研鑽が求められます。
試験費用
受験料として7,500円（税込）が必要です。免除制度を利用する場合でも5,400円（税込）かかります。
国家資格ではない
医療事務管理士は民間資格であるため、国家資格と比べると認知度や評価が劣る場合があります。

医療事務管理士技能認定試験の取得方法は以下の通りです：

試験の選択
医科と歯科のどちらの試験を受けるか決定します。
受験方法の選択
在宅試験かインターネット試験（IBT）のどちらかを選びます。
申し込み
選択した試験方法に応じて、インターネットまたはコンビニ端末から申し込みを行います2。
学習
試験範囲に沿って学習を進めます。主な学習内容は以下の通りです：
- 法規（医療保険制度、後期高齢者医療制度、公費負担医療制度など）
- 保険請求事務（診療報酬点数の算定、診療報酬明細書の作成、医療用語など）
- 医学一般（臓器、生理機能、傷病などの基礎知識）
試験受験
選択した方法（在宅またはIBT）で試験を受験します。在宅試験の場合：
- 実技試験：9:30〜12:30
- 学科試験：13:45〜14:45
IBTの場合：
好きな時間に受験可能
結果確認
合格基準は以下の通りです：在宅試験：
- 実技試験：各問題で約60%以上、合計で約80%以上
- 学科試験：約80%以上
IBT：
- 学科試験と実技試験の総合計が70%以上
資格取得
両試験に合格すると、医療事務管理士の資格が付与されます。

学科試験はマークシート方式で行われ、全10問が出題されます。

出題範囲は以下の3分野です：

実技試験では、レセプト（診療報酬明細書）に関する問題が出題されます。

具体的には以下の2種類の問題があります：

合格率
医科医療事務管理士技能認定試験の合格率は約84.6%と比較的高めです5。ただし、これは十分な準備をした受験者の結果であり、安易に考えるべきではありません。
試験免除制度
一方の試験（学科または実技）に合格した場合、その合格は6ヶ月間保証されます。この期間内にもう一方の試験に合格すれば、両試験に合格したとみなされます。
インターネット試験（IBT）の特徴
IBTでは、試験の申し込みから受験、結果確認まですべてインターネット上で完結します。これにより、従来の会場試験は現在行われていません。
継続的な学習の重要性
医療制度や診療報酬制度は定期的に改定されるため、資格取得後も最新の情報をキャッチアップし続ける必要があります。
他の医療事務資格との違い
医療事務管理士は、他の医療事務資格（医療事務技能審査試験や診療報酬請求事務能力認定試験など）と比べて、より包括的な知識とスキルを評価する試験です。