看護助手は、病院やクリニックなどの医療施設で重要な役割を果たす職種です。
看護師や准看護師の業務をサポートし、患者さんの快適な入院生活を支える重要な存在です。
初心者の方にも理解しやすいよう、看護助手の役割、給料、そしてこの職業のメリットとデメリットについて詳しく説明します。
看護助手の主な役割と仕事内容
看護助手の主な役割は、看護師の業務をサポートし、患者さんの日常生活のケアを行うことです。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
患者さんの身の回りのお世話
看護助手は、入院患者さんの日常生活をサポートする重要な役割を担っています。
主な業務には以下のようなものがあります：
- 食事の配膳と介助
- 入浴の介助
- 着替えの手伝い
- おむつ交換
- ベッドメイク
- 患者さんの移動の介助（車椅子の手配など）
- 体位変換の介助
これらの業務を通じて、患者さんが快適に過ごせるよう支援します。
看護師のサポート
看護助手は、看護師の業務をスムーズに進めるためのサポートも行います。
例えば：
- 患者さんの診察室への誘導
- 問診表の受け渡し
- 医療器具の消毒や準備、片付け
- 外来患者の受付業務（診療所やクリニックの場合）
環境整備
病院内の衛生管理も看護助手の重要な仕事の一つです。
主な業務には：
- 病室の清掃
- ベッドメイク
- 医療機器の洗浄と管理
- カルテなどの書類整理
これらの業務を通じて、患者さんが清潔で快適な環境で療養できるよう努めます。
看護助手の給料
看護助手の給料は、経験や勤務先によって異なりますが、以下が平均的な数字です：
- 平均年収：318万3,600円
- 平均月給：22万2,500円
- 平均時給：1,386円
- 平均賞与（ボーナス）：51万3,600円
- 初任給（20〜24歳で就業経験0年の場合）：18万1,700円
組織の規模別での月給の差は以下の通りです：
| 組織規模（従業員数） | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|
| 月給（手当込み） | 22万3,700円 | 21万9,000円 | 22万9,700円 | 22万2,500円 |
| 平均年齢 | 47.6歳 | 47.0歳 | 49.6歳 | 47.8歳 |
| 勤続年数 | 8.5年 | 9.0年 | 9.9年 | 9.2年 |
これらの数字は、令和5年度の厚生労働省による賃金構造基本統計調査の結果に基づいています。
看護助手として働くメリット
1. 医療知識の習得
看護助手として働くことで、自然と医療に関する知識を身につけることができます。
これは、将来介護の現場で働く際にも大いに役立ちます。
医療と介護の両方の知識を持つことで、より質の高いケアを提供できるようになります。
2. 安心感のある職場環境
病院では常に医師や看護師が在籍しているため、緊急時にも迅速な対応が可能です。
これは、介護施設などと比べて大きな安心感につながります。特に、医療知識が十分でない初心者にとっては、心強い環境だと言えるでしょう。
3. キャリアアップの可能性
看護助手として働きながら、将来的に看護師や准看護師を目指すこともできます。
医療現場での経験は、看護の勉強をする上で大きな強みとなります。
4. 社会貢献度の高さ
患者さんの日常生活を支援し、快適な療養環境を整えることは、社会的に非常に意義のある仕事です。人の役に立っているという実感を得られやすい職業と言えるでしょう。
看護助手として働くデメリット
1. 介護士としてのジレンマ
多くの看護助手は介護の勉強をしていますが、病院では治療が優先されるため、介護の理念と相反する場面に遭遇することがあります。
例えば、介護施設では原則禁止されている身体拘束が、病院では行われることがあります。このような状況に直面すると、介護士としての理想と現実のギャップに悩むことがあります。
2. 業務の限界
看護助手は医療行為を行うことができないため、仕事の範囲に制限があります。
そのため、自分の能力を十分に発揮できないと感じたり、単調な業務に物足りなさを感じたりする場合があります。
3. 看護師の補助的立場
看護助手は看護師の補助的な立場であるため、意思決定の場面で自分の意見が反映されにくいことがあります。
これは、介護の専門知識を持っていても、医療現場では看護師の判断が優先されることが多いためです。
4. 体力的な負担
患者さんの移動介助やベッドメイクなど、体力を使う仕事が多いため、身体的な負担が大きいです。
特に、夜勤がある場合は、体力的にも精神的にもストレスがかかりやすくなります。
看護助手に向いている人の特徴
看護助手として成功するためには、以下のような特徴や資質が重要です：
- 思いやりの心：患者さんの気持ちを理解し、寄り添える人
- コミュニケーション能力：患者さんや医療スタッフとスムーズに意思疎通ができる人
- 体力がある：長時間の立ち仕事や患者さんの介助に耐えられる体力がある人
- 細やかな気配り：患者さんの小さな変化に気づき、適切に対応できる人
- チームワーク力：医療チームの一員として協調して働ける人
- 学習意欲：医療や介護の知識を常に更新しようとする意欲がある人
看護助手になるために必要な資格
看護助手になるために特別な資格は必要ありません。
しかし、以下の資格を持っていると有利になる場合があります：
- ホームヘルパー2級（現在の介護職員初任者研修）
- 介護福祉士
- 実務者研修修了
これらの資格を持っていると、患者さんのケアや介助の技術がすでに身についているため、即戦力として評価されやすくなります。
まとめ
看護助手は、医療現場で重要な役割を果たす職業です。
患者さんの日常生活のサポートや看護師の業務補助を通じて、快適な療養環境を整える重要な存在です。
給与面では、経験や勤務先によって異なりますが、平均年収は318万円程度となっています。
この職業の大きなメリットは、医療知識を習得できることや、安心感のある環境で働けることです。一方で、介護の理念と医療現場の現実とのギャップに悩むこともあります。
看護助手として成功するためには、思いやりの心やコミュニケーション能力、体力などが重要です。特別な資格は必要ありませんが、介護関連の資格があると有利になる場合があります。
医療や介護に興味がある方、人の役に立ちたいと考えている方にとって、看護助手は魅力的な職業選択肢の一つと言えるでしょう。ただし、体力的な負担や精神的なストレスもあるため、自分の適性をよく考えた上で選択することが大切です。
