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言語聴覚士とは

訪問看護
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言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapist)は、コミュニケーションと食事に関する専門家です。
主に「話す」「聞く」「食べる」という人間の基本的な機能に関するリハビリテーションを行う医療専門職です。

言語聴覚士の定義と役割

言語聴覚士は、言語聴覚士法によって以下のように定義されています:

「音声機能、言語機能または聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行う」

この定義からわかるように、言語聴覚士の主な役割は、言語、聴覚、発声、発音、認知、嚥下(飲み込み)などの機能に問題を抱える方々を支援することです。

言語聴覚士の主な支援対象

言語聴覚士が支援する主な対象は以下の通りです:

  1. 失語症の方
  2. 構音障害の方
  3. 認知症の方
  4. 高次脳機能障害の方
  5. 神経難病の方
  6. 聴覚障害の方
  7. 発達障害のある子ども
  8. 嚥下障害の方

これらの方々に対して、言語聴覚士は適切な評価と訓練を行い、生活の質の向上を目指します。

言語聴覚士の主な業務内容

言語聴覚士の業務は大きく分けて以下の3つの分野に分類されます:

1. 言語に関する支援

言語障害は、話す、聞く、読む、書くなどの機能が低下し、コミュニケーション全体に影響を及ぼす障害です1。言語聴覚士は以下のような支援を行います:

  • 失語症や構音障害の評価と訓練
  • 言語発達遅滞の子どもへの支援
  • 認知症や高次脳機能障害による言語問題への対応

具体的な訓練内容:

  • 単語や文法の習得支援
  • 発音練習
  • 会話訓練
  • 読み書きの訓練

2. 聴覚に関する支援

聴覚障害のある方に対して、以下のような支援を行います2

  • 聴力検査の実施
  • 補聴器の選定と調整
  • 人工内耳のリハビリテーション
  • 聴覚障害者のコミュニケーション方法の指導(読唇、手話など)

3. 摂食・嚥下に関する支援

「食べること」は生命維持だけでなく、生活の質にも大きく関わる重要な機能です。

言語聴覚士は以下のような支援を行います:

  • 嚥下機能の評価
  • 安全な食事方法の指導
  • 口腔機能の訓練
  • 食形態の調整アドバイス

言語聴覚士の仕事の特徴

  1. 多職種連携:
    言語聴覚士は、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士など、様々な専門職と連携しながら仕事を行います。チームで患者さんを支援することで、より効果的なリハビリテーションが可能になります。
  2. 個別性の高い支援:
    言語や嚥下の問題は個人差が大きいため、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの支援が必要です。言語聴覚士は、詳細な評価を行い、個々の患者さんに最適な訓練プログラムを立案します。
  3. 家族支援:
    言語聴覚士は、患者さん本人だけでなく、家族への支援も重要な役割です。コミュニケーション方法の指導や、家庭でできる訓練の提案など、家族全体をサポートします。
  4. 長期的な関わり:
    言語や嚥下の機能回復には時間がかかることが多いため、言語聴覚士は長期的な視点で支援を行います。患者さんの変化を細かく観察し、訓練内容を適宜調整していきます。

言語聴覚士の活躍の場

言語聴覚士は様々な場所で活躍しています:

  1. 病院:
    急性期から回復期、維持期まで、様々な段階の患者さんに対してリハビリテーションを行います。
  2. リハビリテーション施設:
    集中的なリハビリテーションを必要とする方々に対して、専門的な支援を提供します。
  3. 介護施設:
    高齢者の方々の言語機能や嚥下機能の維持・改善を支援します。
  4. 児童発達支援施設:
    言語発達に遅れのある子どもたちの支援を行います。
  5. 学校:
    特別支援学校などで、言語や聴覚に障害のある児童・生徒の支援を行います。
  6. 訪問リハビリテーション:
    在宅の患者さんのもとを訪問し、生活環境に即したリハビリテーションを提供します。

言語聴覚士の仕事の重要性

言語聴覚士の仕事は、以下の点で非常に重要です:

  1. コミュニケーション能力の回復:
    言語障害や聴覚障害によってコミュニケーションが困難になった方々の社会参加を支援します。
  2. 生活の質の向上:
    「話す」「聞く」「食べる」という基本的な機能の改善は、患者さんの生活の質を大きく向上させます。
  3. 安全な食事の確保:
    嚥下障害のある方々に対して、誤嚥性肺炎のリスクを減らし、安全に食事を楽しめるよう支援します。
  4. 早期発見・早期介入:
    特に子どもの言語発達において、早期に問題を発見し適切な支援を行うことで、将来的な問題を予防できる可能性があります。
  5. 心理的サポート:
    言語や嚥下の問題は心理的な負担も大きいため、言語聴覚士は患者さんの心理面のサポートも行います。

言語聴覚士になるには

言語聴覚士になるためには、以下の手順が必要です:

  1. 教育:
    大学や専門学校の言語聴覚士養成課程で必要な知識と技術を学びます。
  2. 国家試験:
    言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
  3. 資格取得:
    国家試験に合格後、厚生労働大臣の免許を受けて言語聴覚士として登録します。
  4. 継続教育:
    資格取得後も、最新の知識や技術を学ぶための継続的な研修が重要です。

訪問看護ステーションでは

訪問看護ステーションに勤務していると、言語聴覚士の要望が多いように感じています。しかし、言語聴覚士が所属している訪問看護ステーションの事業所数は多くありません。医療機関である病院では言語聴覚士が所属している事業所は多いですが、在宅サービスにおいては言語療法士のサービスを受けられる機会はかなり減少します。

特に言語療法士に求められる役割では、嚥下(食事の飲み込み)の機能改善を希望される利用者さんが多く感じています。脳梗塞や神経難病による嚥下機能の低下だけでなく、加齢による嚥下機能の低下をきたした利用者さんが多くなっています。加齢による誤嚥性肺炎の発症や予防するために言語療法士のサービスが求められています。

まとめ

言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる」という人間の基本的な機能に関するリハビリテーションを行う専門職です。

言語障害、聴覚障害、嚥下障害など、様々な問題を抱える方々の生活の質の向上を支援します。個別性の高い支援や多職種連携、家族支援など、言語聴覚士の仕事は多岐にわたります。病院、リハビリテーション施設、介護施設、学校など、様々な場所で活躍しており、社会的に重要な役割を担っています。

言語聴覚士の支援によって、多くの方々がコミュニケーション能力を回復し、安全に食事を楽しみ、より豊かな生活を送ることができるようになっています。
今後も高齢化社会の進展や医療技術の発展に伴い、言語聴覚士の役割はますます重要になっていくでしょう。

以上、参考になれば幸いです。


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