理学療法士になるための道筋について、自己の体験を含めて説明していきます。
カリキュラムの構成
養成校のカリキュラムは主に以下の4つで構成されています:
- 一般教養科目
- 専門基礎科目 (解剖学、生理学、運動学など)
- 専門科目 (理学療法に関する専門的な内容)
- 臨床実習
これらを通じて、理学療法に必要な知識と技術を体系的に学びます。
私は4年制の大学で学びました。1~2年生までは、一般教養科目が学習の中心になり、専門基礎科目を習得していくカリキュラムでした。作業療法士学科が併設されていたため、共同で講義を受けることも多くありました。
3年生からは戦目科目がほとんどになり、学内、学外にて自習することが増えていきました。
4年生になると、学外での長期実習が半年間、その後は卒業研究、卒業試験対策(国家試験と同じ程度の内容)に取り組むことになり、講義は無くなります。長期自習が終わり、講義がないことで自由時間が比較的増えます。ただ、課題や試験対策が必要になるため、自己にて時間管理をしながら必要なことに取り組むことが重要になります。
実践的な学習環境
多くの養成校では、以下のような実践的な学習機会を提供しています:
- 実地指導: 現役の理学療法士から直接指導を受ける。
- 臨床実習: 病院や介護施設で実際の患者と関わる機会。
- 最新設備: 一部の学校では最先端の設備(例:AOI GYMやARROWZ LAB)を活用した学習。
1年生の時点で附属の大学病院で、教授、助教授の理学療法の見学を行うことが中心であり、実際に患者さんに触れる機会はありませんでした。雑談や病状の聞き取りを行うなどコミュニケーションを行うことが多かった覚えがあります。
2年生からは、実際の患者さんの身体状況などの評価、歩行分析や課題の抽出、理学療法のプログラム立案を行い、3年生から実際の患者さんにアプローチしていきます。
もちろん、実際の患者さんにするまでに生徒同士で練習をしたり、実技試験を行った上でです。
少人数制教育
多くの養成校で少人数制の授業を採用しており、きめ細かな指導が受けられます:
- 1クラスに教員が2人つく授業
- 6〜7人の学生に1人の専任教員がつく体制
国家試験対策
ほとんどの養成校が充実した国家試験対策を提供しています:
- 1年次から段階的に対策を開始。
- 模擬試験の実施
- 個別指導や質疑応答の時間
- 卒業生による体験談セッション
私が入学していた大学では、卒業試験が3回ほど実施されていました。試験の難易度は国家試験と同等です。3回を通して60%以上の点数が獲得できないと、卒業に必要な単位が取得できない仕組みでした。そのため、大学を卒業すること=国家試験に合格できるだけの知識があるということになっていました。卒業試験に合格できないことで留年することになった友達もいました。
本当に明日は我が身であると感じました。
就職サポート
多くの養成校が就職に向けたサポートを行っています:
- 豊富な臨床実習先の提供
- 卒業生ネットワークを活用した就職支援
- 在学中のアルバイト紹介(リハビリ助手など)
学校内に求人に関する資料室があり、そこから自分で調べて、応募するような感じでした。先生は相談には乗ってくれはしますが、就職先については自分で判断して応募していました。
大学4年生なので、自分の人生の選択は自分で責任を持って行いましょう。
希望すると、病院の見学や仕事内容の説明を受けることができます。私は合計4個所ほど見学に行きました。見学してからであれば、応募動機も説明しやすくなること、就職後のイメージが浮かびやすいためオススメします。
多様な学習形態
学生のニーズに合わせて、様々な学習形態を提供する学校が増えています:
- 昼間部と夜間部の設置。
- オンデマンド授業とオンライン授業の導入。
- 通学とオンラインを組み合わせた柔軟な授業形態。
専門学校には昼間部と夜間部が多くあった印象です。大学に存在するのかは把握していません。
まとめ
理学療法士養成校は学生が効果的に学び、国家資格取得と将来のキャリアに向けて準備できる環境を提供しています。
養成校では、講義や実習を通して知識や技術を習得していき、最終目標である『理学療法士免許』を取得することになります。
私の経験を振り返ると、理学療法士免許の取得は通過点に過ぎないように感じています。
新人の際は養成校で学んだ事と全く同じアプローチを行っていても上手くいかないことが多くありました。新しく勉強や先輩への相談、内部や外部での研修会の参加など就職してからも学ぶことが盛り沢山です。
その分、やりがいも多くありますので、楽しんで学んでいきましょう。
以上、参考になれば幸いです