骨盤底筋群は骨盤の底部に位置する筋肉群で、内臓の支持や排泄機能の制御など重要な役割を担っています。
解剖学的には3層構造を持ち、各層が異なる機能を分担しています。
以下では、構造・機能・衰えの影響・具体的なトレーニング方法を段階的に解説します。

骨盤底筋群の解剖学的構造
骨盤底筋群は浅層・中間層・深層の3層に分かれ、複数の筋肉で構成されます。
浅層(第1層)
- 主な筋肉:外肛門括約筋、外尿道括約筋、球海綿体筋、坐骨海綿体筋
- 機能:尿道口・膣口・肛門の開閉を直接コントロール
中間層(第2層)
- 主な筋肉:深会陰横筋、尿道膣括約筋
- 機能:膀胱と膣の機能をサポート。尿禁制に関与
深層(第3層)
- 主な筋肉:肛門挙筋(恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋)、尾骨筋
- 機能:骨盤内臓器を支え、腹圧を調整。排泄機能の維持
主な機能と衰えによる影響
1. 臓器の支持
骨盤底筋群はハンモック状に内臓を支え、膀胱・子宮・直腸を正しい位置に保持します。
筋力低下すると骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱脱)のリスクが上昇。
2. 排泄制御
尿道と肛門の括約筋群が排泄のタイミングを調整します。
衰えると尿漏れ・便失禁が発生しやすくなります。
3. 腹圧調整
腹腔内圧力を分散させ、排便時の負荷を軽減。機能低下は便秘や痔の原因になる可能性があります。
効果的なトレーニング方法
基本原則
- 1日3セット(朝・昼・晩)を目安に実施
- 収縮時間は5秒から始め、徐々に10秒まで延長
- 呼吸は「締めるときに吐く・緩めるときに吸う」を意識
初心者向けエクササイズ
1. 仰向けトレーニング
- 仰向けで膝を立て、リラックス
- 肛門・尿道・膣を順に締め、5秒キープ
- 10回繰り返し(約10分)
2. 座位トレーニング
- 壁にもたれて座り、手で骨盤底を触診
- 締めるときに手指で筋肉の動きを確認
- 10回×3セット実施
3. 立位トレーニング
- 壁から20cm離れて立ち、膝を軽く曲げる
- 腰を壁に押し付けながら骨盤底を収縮
- 5秒キープ×10回
応用メニュー
1. ブリッジリフト
- 仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げる
- 頂点で3秒停止し、骨盤底を意識
- 10回×3セット
2. スクワット
- 足を肩幅より広く開き、背筋を伸ばす
- 腰を下ろす際に骨盤底を引き上げる
- 10回×3セット
3. 歩行トレーニング
- 歩きながら片足を前に出す
- 体重移動時に反対側の骨盤底を収縮
- 自然な呼吸を維持
重要な注意点
- トレーニング中は腹筋に力を入れすぎない(逆効果の可能性)
- 痛みがある場合はすぐに中止
- 効果が表れるまで3~6カ月かかるため継続が重要
骨盤底筋群の健康維持は、生活の質を左右する重要な要素です。
正しい方法で継続的なトレーニングを行うことで、尿漏れ予防・姿勢改善・内臓機能の向上が期待できます。
特に産後の女性や高齢者は、早期からケアを始めることが推奨されます。