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【解説】介護職員初任者研修について

制度
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介護職員初任者研修は、介護職として働くための基本的な知識と技術を学ぶための入門的な資格です。

この研修は、2013年4月に従来のホームヘルパー2級に代わって導入されました。
介護の仕事を始めたい方や、介護の基礎を学びたい方にとって、最適な資格といえます。

資格の定義と概要

介護職員初任者研修は、介護職として働く上で必要な知識や技術、考え方のプロセスを身につけることを目的としています。

この資格を取得することで、基本的な介護業務を行うことができるようになります。
主な特徴は以下の通りです:

  1. 介護の入門的な資格である
  2. 介護保険法等により、訪問介護を行うには必須の資格とされている
  3. 身体介護や生活援助などの基本的な介護スキルを学ぶ
  4. 実践的な介護技術を身につけられる

資格取得のメリット

介護職員初任者研修を修了すると、以下のようなメリットがあります:

  1. 身体介護の実施:利用者の身体に直接触れる排泄や入浴の介助といった「身体介護」を、有資格者の監督なしで1人で行えるようになります。
  2. 就職先の拡大:ホームヘルパーとして働くことができるため、就職先の選択肢が増えます。
  3. 介護の基礎知識の習得:介護の基本から応用までを学ぶことができ、介護職として必要な知識と技術を身につけられます。
  4. キャリアアップの基礎:より上位の介護資格取得へのステップとなります。

取得方法

介護職員初任者研修の取得方法には、主に通学講座と通信講座の2種類があります。

どちらの方法でも、厚生労働省によって定められた9科目130時間の受講が必要です。

1. 通学講座

通学講座の特徴:

  • 最短1か月程度で資格取得が可能(週5日通うコースの場合)
  • 同じ目的を持った受講生と切磋琢磨できる
  • モチベーションを維持しやすい
  • スクールやコースによってカリキュラムの組み方が異なる

通学講座は、短期間で集中的に学びたい方や、他の受講生と交流しながら学習したい方に適しています。

2. 通信講座

通信講座の特徴:

  • 通学講座よりも長い受講期間が必要(数か月程度)
  • 空き時間を利用して場所を気にせず学べる
  • 自宅学習は全カリキュラムの一部(40.5時間まで)
  • 残りの講義や実技は通学が必要

通信講座は、現在の仕事や家事と両立させたい方や、自分のペースで学習したい方に向いています。ただし、完全な独学ではなく、一部通学が必要な点に注意が必要です。


カリキュラムの内容

介護職員初任者研修のカリキュラムは、厚生労働省の指針により定められています。

以下は、主な研修科目と内容です:

  1. 職務の理解(6時間)
    • 介護の意味や介護職としての仕事、サービスの理解
    • 在宅サービスや施設サービスの種類と内容
  2. 介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)
    • 被介護者の人権を守るための知識
    • 虐待防止や認知症利用者への対応
  3. 介護の基本(6時間)
    • 介護福祉業界の現状と社会における介護職の必要性
    • リスクマネジメントと安全確保
    • 介護職のこころとからだの管理
  4. 介護・福祉サービスの理解と医療との連携(9時間)
    • 介護保険制度の仕組み
    • 医療との連携
    • 障害福祉サービス
  5. 介護におけるコミュニケーション技術(6時間)
    • 介護現場でのコミュニケーションの重要性
    • 被介護者とのコミュニケーション方法
    • チーム内コミュニケーション
  6. 老化の理解(6時間)
    • 老化による身体機能の低下
    • 代表的な病気の症状
    • 高齢者の心情の変化
  7. 認知症の理解(6時間)
    • 認知症を取り巻く環境や社会問題
    • 認知症の種類と特徴
    • 認知症利用者と家族への支援
  8. 障害の理解(3時間)
    • 障害者の生活における障害と行動の特徴
    • 障害者と家族の心理的特徴
    • 支援の仕方
  9. こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)
    • 日常生活支援に必要な基本的な介助方法(食事、移動、排泄、入浴など)
    • 終末期介護への向き合い方
    • 介護者の身体負担軽減方法
    • 福祉用具の使用方法と介護技術

受講・受験資格

介護職員初任者研修は、初心者向けの研修であるため、特別な受講・受験資格は設けられていません。

誰でも受講することができ、介護の仕事に必要な知識や技術、考え方を身につけることができます。

ホームヘルパー2級との違い

ホームヘルパー2級は、介護職の入門レベルの資格として知られていました。
しかし、2013年の介護保険法施行規則改正により、この資格は廃止され、現在は介護職員初任者研修に置き換えられています。

ホームヘルパー2級の資格を持っている人は、自動的に介護職員初任者研修を修了したとみなされます。

取得にかかる費用と期間

介護職員初任者研修の取得にかかる費用は、約5〜10万円程度です。

受講期間は、通学講座の場合は最短1ヶ月程度、通信講座の場合は1〜4ヶ月程度となっています。
ただし、費用や期間は受講する教育機関や講座の形式によって異なるため、複数の機関を比較検討することをおすすめします。

資格取得後の働き方

介護職員初任者研修を修了すると、以下のような場所で働くことができます:

  1. 訪問介護(ホームヘルパー)
  2. デイサービス
  3. グループホーム
  4. 特別養護老人ホーム
  5. 病院

特に、訪問介護では介護職員初任者研修の修了が必須とされているため、この資格を持っていることで働く機会が広がります。

資格取得のプロセス

介護職員初任者研修の資格を取得するまでの一般的なプロセスは以下の通りです:

  1. 開講式・オリエンテーション
  2. 自宅学習(通信講座の場合)
  3. 通学(スクーリング)
  4. 修了筆記試験
  5. 合格後、資格取得

上位資格へのステップアップ

介護職員初任者研修は、介護職のキャリアにおける入門的な資格です。

この資格を取得した後、さらにキャリアアップを目指す場合は、以下のような上位資格の取得を検討することができます:

  1. 実務者研修
  2. 介護福祉士
  3. 社会福祉士

これらの資格を取得することで、より専門的な知識と技術を身につけ、キャリアの幅を広げることができます。


まとめ

介護職員初任者研修は、介護職を目指す方にとって重要な第一歩となる資格です。この研修を通じて、介護の基本的な知識と技術を学び、実践的なスキルを身につけることができます。

資格取得の方法は、通学講座と通信講座の2種類があり、自分の生活スタイルや学習ペースに合わせて選択することができます。
カリキュラムは厚生労働省によって定められており、介護の幅広い分野について学ぶことができます。

介護職員初任者研修を修了することで、訪問介護やデイサービスなど、様々な介護現場で働く機会が広がります。また、この資格は介護職のキャリアにおける入門的な位置づけであり、将来的により上位の資格取得を目指すための良い基盤となります。
介護に興味がある方や、介護の仕事を始めたい方にとって、介護職員初任者研修は非常に有益な資格といえるでしょう。この資格を取得することで、介護の世界への第一歩を踏み出し、人々の生活を支える重要な役割を担うことができます。

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