訪問看護ステーションでの勤務は、利用者の生活に直接寄り添い、病院では見えにくい「日常の回復」を支える仕事です。
高齢化社会の進行に伴い、在宅リハビリの需要は年々増加。制度面や多職種連携など、実務を通して幅広い知識とスキルが身につくため、キャリア形成にも直結します。
さらに、インセンティブ制度を活用すれば高収入も実現可能。
本記事では、統計データや実際の給与事例をもとに、訪問看護で働く理学療法士の年収・働き方・将来性について、信頼できる情報をわかりやすく解説します。
また、筆者の経験した訪問看護ステーションでの年収も公開します。
はじめに:理学療法士が訪問分野で注目される理由
近年、訪問看護ステーションで働く理学療法士が増加しています。なぜ今、訪問の分野が注目されているのでしょうか?
主な理由はこちら:
- 高齢化社会に伴う需要の増加
訪問リハビリのニーズは年々高まっています。 - 99%の利用者が効果を実感
在宅でのリハビリは生活に直結しており、高い満足度を得ています。 - 生活に密着したリハビリ
利用者の自宅で実施することで、日常生活に直結した支援が可能です。 - 多職種連携で視野が広がる
看護師やケアマネジャーなど、他職種との協働が豊富です。 - 制度への理解とキャリア形成
介護保険、医療保険、障害福祉サービスなどの制度を実践を通じて学べます。 - 経済的メリット
病院勤務と比べて、インセンティブ制度による高収入のチャンスがあります。 - やりがい
「生きていく」ことに直接関われる、やりがいの大きい仕事です。
理学療法士の平均年収ってどれくらい?
まずは一般的な理学療法士の収入を見てみましょう。
- 平均年収:約432.5万円(※令和5年 賃金構造基本統計調査より)
- 月収:約30.1万円
- 賞与:約71.4万円
年齢別の平均年収
年齢 | 年収目安 |
---|---|
20〜24歳 | 約336万円 |
25〜29歳 | 約392万円 |
30〜34歳 | 約421万円 |
35〜39歳 | 約455万円 |
40〜44歳 | 約498万円 |
45〜49歳 | 約518万円 |
50〜54歳 | 約515万円 |
55〜59歳 | 約570万円 |
全産業の平均年収(約507万円)よりやや低めですが、医療職の中では比較的安定した給与水準です。

訪問看護ステーションで働く理学療法士の年収事情
訪問看護ステーションで働くと、以下のような収入の傾向があります。
- 年収:400万〜650万円
- インセンティブ制度あり
- 1件あたり:3,500〜4,000円程度
- 月80件以上で月収30万円超も可能
- 基本給は26万〜30万円が多い
- 休日:年間120日以上(多くは土日祝休)
- 退職金制度なしの事業所も多い
実録①:インセンティブあり(フルタイム)
勤務形態:正社員
基本給:26万円/月
インセンティブ発生条件:訪問時間75時間/月以上
1時間あたりインセンティブ:4,000円
- 訪問件数:月100件程度
- 月のインセンティブ平均:6.5万円
- 年間インセンティブ:約80万円
印象と評価
◎良い点
- 頑張った分が給与に反映されやすい
- 地域連携や営業的アプローチも評価される
△悪い点
- 訪問件数が少ないとインセンティブが発生しない
- 接遇や信頼関係も重要で、単なる技術力だけでは継続に繋がらない
実録②:インセンティブなし(フルタイム)
勤務形態:正社員
基本給:30万円/月
訪問件数:月平均123件
印象と評価
◎良い点
- 安定した給与
- ノルマがないため、精神的な負担が少ない
- 休暇が取りやすい雰囲気
△悪い点
- 昇給がなければ給与は横ばい
- 成果を出しても給与には直結しにくい
訪問看護ステーションで年収を上げるポイント
1. インセンティブ制度の有無をチェック
訪問件数に応じた手当があるかを確認しましょう。
2. 地域性の影響
都市部の方が高収入になる傾向があります。
3. 経験年数・スキル
経験に応じて基本給や訪問単価が上がるケースがあります。
4. 施設の信頼度と稼働件数
地域に信頼されている事業所は、自然と依頼も多くなります。
キャリアアップの可能性と将来性
訪問看護ステーションでの勤務は、単なる「働き先」ではなく、キャリアアップにも繋がる環境です。
スキルの幅が広がる
- 利用者一人ひとりに合わせたリハビリ
- 自宅環境への対応力
- スケジュール・時間管理能力の向上
研修制度が充実
- 実務研修(オンライン・オフライン)
- マネジメント研修
- リーダー育成プログラム
将来的な道も明確
- 管理職や責任者ポジション
- 独立や新規事業の立ち上げ
- 多職種連携・運営のスキル習得
訪問でのリハビリは今後も需要が増える!
「2025年問題」に向けて、訪問リハビリの需要は確実に高まっています。
少子高齢化が加速するなかで、在宅でのリハビリニーズは今後さらに増えていくでしょう。

まとめ:訪問看護での理学療法士は稼げてキャリアアップも可能!
訪問看護ステーションでの理学療法士の働き方は、やりがい・収入・成長の三拍子が揃った魅力的な選択肢です。
- インセンティブ制度で高収入も目指せる
- 多職種連携で視野が広がる
- 柔軟な働き方でワークライフバランスも取りやすい
あなたのキャリアの次の一歩として、訪問看護ステーションでの勤務を検討してみてはいかがでしょうか?
※当記事の内容は筆者の経験と各種統計データに基づいています。施設によって条件は異なるため、詳細は各事業所にお問い合わせください。