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訪問看護からの情報提供について【2024年最新版】訪問看護情報提供 療養費とは?算定要件・報酬・実務上の注意点を徹底解説訪問看護からの情報提供について

訪問看護
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訪問看護の現場では、医療や介護、教育、行政など、さまざまな機関と連携を取りながらご利用者さまを支援しています。その中で、重要な役割を果たすのが**「訪問看護情報提供 療養費」**という仕組みです。

この記事では、訪問看護情報提供に関する療養費の概要、種類、具体的な算定要件、算定時の注意点、そして実際の現場での活用方法までをわかりやすく解説します。


訪問看護情報提供 療養費とは?

訪問看護情報提供 療養費とは、訪問看護ステーションがご利用者さまに関する看護情報を他の関係機関へ文書で提供した際に算定できる報酬です。

この加算の目的は、ご利用者のケアに関与する関係者と的確かつ迅速に情報を共有し、より質の高い在宅医療・介護を実現することにあります。


訪問看護情報提供 療養費の3つの種類とその内容

【1】訪問看護情報提供療養費(1)

  • 対象者:
    • 厚生労働大臣が定める特定疾患等の利用者
    • 特別管理加算の対象者
    • 精神障害を有する利用者、またはその家族等
  • 情報提供先:
    • 市区町村
    • 保健所
    • 精神保健福祉センター など
  • 提供期限:
    • 訪問看護を実施した日から2週間以内
  • 算定金額:
    • 1,500円/月1回のみ

この加算は、医療的・精神的な配慮が必要な利用者に対して、地域の行政機関や専門支援機関との連携を強化するためのものです。虐待リスクや医療的ケアの継続的支援が必要なケースでは、特に活用される機会が多い加算です。


【2】訪問看護情報提供療養費(2)

  • 対象者:
    • 15歳未満の超重症児、準超重症児
    • 特定疾患(厚労省指定)
    • 特別管理加算対象者
  • 情報提供先:
    • 小学校、中学校、特別支援学校などの教育機関
  • 提供タイミング:
    • 入学・転校時が中心
  • 算定金額:
    • 1,500円/年度1回まで
    • (入学等の月に重複がある場合は、別途見積り対応)

教育現場との連携は、医療的ケア児や障害をもつお子さんにとって、安全な学校生活を送るための土台となります。訪問看護師が学校へ情報提供を行うことで、教職員も児童・生徒の健康状態や医療的対応の必要性を正確に把握できるようになります。


【3】訪問看護情報提供療養費(3)

  • 対象者:
    • 保険医療機関・介護老人保健施設・介護医療院等に入院または入所した利用者
  • 情報提供先:
    • 保険医療機関の主治医
  • 提供タイミング:
    • 入院・入所時
  • 算定金額:
    • 1,500円/月1回まで

入退院の際、訪問看護師が医療機関の医師や看護師と連携することで、スムーズな継続看護が可能になります。特に、病状の変化や在宅生活中の状況を丁寧に伝えることは、入院先での治療計画の質を高めるうえでも非常に重要です。


訪問看護情報提供療養費の共通算定要件と注意点

これら3種類の加算には、共通の算定要件とルールがあります。

✅ 算定の前提条件

  1. 書面による情報提供が必要
     口頭のみでは算定できません。情報は文書で作成し、適切な機関へ送付または提出します。
  2. 利用者本人または家族の同意が必要
     個人情報の提供になるため、文書提供前には必ず同意を得ましょう。
  3. 1人の利用者に対し、1事業所のみ算定可
     複数の訪問看護ステーションが関与している場合でも、1事業所だけが算定可能です。
  4. 月に1回のみ算定可(療養費1・3)
  5. 訪問看護報告書への記載が必須
     療養費を算定した場合、主治医へ提出する訪問看護報告書に「情報提供先」「提供日」を記載します。
  6. 同一利用者で1〜3すべてを算定可能(条件を満たす場合)
     対象条件をすべて満たしていれば、1人の利用者に対して3種類すべての算定が可能です。

実務での活用例

✅ 事例1:医療的ケア児の就学前支援

重度の医療的ケアが必要なお子さんが小学校に入学する場合、教育現場では情報の把握に苦慮することがあります。このようなケースでは、訪問看護ステーションが**訪問看護情報提供療養費(2)**を活用し、児童の既往歴、日常的な医療処置、注意点などを詳細に記載して学校に提供します。

✅ 事例2:入院時の病院への情報提供

長期間の訪問看護を受けていたご高齢の方が急変して入院した場合、訪問看護情報提供療養費(3)を用いて、在宅時の症状・服薬状況・日常生活動作・介護状況を病院へ引き継ぎます。これにより、病院でのスムーズな治療方針決定が可能になります。


計画的な運用のポイント

  • 情報提供のタイミングを逃さない
     訪問から2週間以内の期限があるため、書類作成はスピーディーに進めましょう。
  • 記録と報告の整合性を取る
     訪問看護報告書への記載が算定要件となるため、漏れなく記載し、報告文書との整合性を保つことが重要です。
  • チーム内での周知
     この療養費は管理者や看護師だけでなく、リハビリ職種や事務職員の理解も必要です。事業所全体での情報共有が円滑な算定につながります。

まとめ:情報提供がケアの質を高める

訪問看護情報提供療養費は、単なる「加算」ではなく、ご利用者さまの状態を正確に他の支援機関と共有し、支援の質を高めるための手段です。

加算の対象や条件はやや複雑に見えるかもしれませんが、制度を正しく理解し、適切に活用することで、利用者にとっても支援者にとっても大きなメリットとなります。

ご利用者さまの安心・安全な生活の継続のために、必要な情報を、必要なタイミングで、必要な相手に届ける——そのための仕組みが、訪問看護情報提供療養費です。


以上、2024年時点の最新情報に基づく内容です。今後、制度の見直しや通知の改定があった場合には、随時確認し、運用の見直しを行っていくことも大切です。

参考になれば幸いです。