訪問看護ステーションは増加しています。
訪問看護ステーションの数は最近急速に増加しています。
主な統計データは以下の通りです:
- 2023年4月1日時点での訪問ステーション看護数は15,697箇所でした。
- 2024年4月1日時点では17,329箇所に増加しています。
- 2024年の増加数は1,632件で、これは過去最高の伸びを記録しています。
出典:全国訪問看護事業協会(https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/r6-research.pdf)
訪問看護ステーション数の時間
- 2010年から2023年までの13年間で約3倍に増加し、13年連続で増加が続いています。
新規開設と廃止・休止の状況
- 2023年度中の新規開設数は2,437件で、初の2,000件を突破しました。
- 確定、廃止が701件、休止が291件と、いずれも過去となりました。
地域別の状況(2023年4月1日時点)
訪問看護ステーション数が多い上位3都府県:
- 大阪府:1,769箇所
- 東京都:1,539箇所
- 愛知県:1,035箇所
訪問看護ステーション数が少ない下位3県:
- 鳥取県:74箇所
- 山梨県:77箇所
- 秋田県:79箇所
この急速な増加は、日本の高齢化社会における看護の重要性が広く認識され、ニーズが警戒していることを示しています。安定した経営の難しさもあります。
訪問看護ステーションの増加には、以下のような主な理由があります
社会的背景
- 超高齢社会の進行
- 要介護高齢者の増加
- 死亡者数の増加に伴う在宅看取りニーズの事態
- 医療環境の変化
- 病院の在院日数短縮による医療依存度の高い在宅療養者の増加
- 医療的ケア児の増加
- 家族構成の変化
- 唯一や夫婦のみの増加
- 家族介護力の低下(老老介護、認認介護、多重介護など)
- 国民の意識
- 自宅での生活継続や見る取りを希望する人の増加
政策の要因
- 介護保険法の施行
- 訪問看護が介護保険サービスとして連続的に受け取られた
- 介護の社会化が進み、サービス利用者が増加
- 地域を含めたケアシステムの推進
- 訪問看護が地域を含むケアシステムの重要として重要な役割を決める
- 看護師の働きやすい環境整備の促進
- 継続的な勤務が可能な事業所への支援の増加
- 人基準員(常勤看護師数)の維持がしやすくなる可能性
今後の展望
- 業務負担軽減策の導入
- 現状ではまだ少数派ですが、今後の増加が見込まれる
- 具体的な対策の事例が共有され普及が期待される
- 看護師の継続就労支援
- 育児中の看護師も含め、多様な働き方に対応できる体制づくり
- ワークライフバランスを考慮した勤務シフトの検討
- 人材確保・確保の重要性
- 常勤看護師の確保が事業所の安定運営に直結
- 看護師が長期的に取り組める環境整備が競争力につながる
- 大規模ステーションと小規模ステーションの併設
- 各ステーションの特性を相談した役割分担の検討
- 地域のニーズに応えたサービスを提供する体制の構築
- 技術革新の活用
- ICTやIoTの導入による業務効率化
- 遠隔医療の活用による緊急時対応の負担軽減
この改革を契機に、訪問看護ステーションが看護師にとってより働きやすい環境を整備し、質の高いサービスを持続的に提供できる体制づくりが進むことが期待されます。対応した柔軟なサービスの提供体制の構築も重要となります。
実務に従事している従業員として感じていることは
私が勤務している京都府の訪問看護ステーションの温度感としては、大規模の訪問看護ステーションが徐々に多くなっており、医療機関に附属しない事業所や株式会社が運営する事業所は閉鎖することが散見されています。
実際に私が勤務していた訪問看護ステーションは、所属する看護師さんの離職に伴い閉鎖することになりました。
訪問看護ステーションは医療機関のように夜勤という勤務形態はないものの、緊急時に訪問する体制を確保しており、年末年始も含めて24時間体制で看護師さんが駆けつけることができるサービスがあります。
看護師さんは男性よりも女性の比率がまだまだ高い状態であり、小さな子どもを療育しているママさん看護師さんにとって24時間体制の一翼を担う勤務形態とは相性が悪いように感じます。そのため、独身者など一部の看護師さんが24時間体制の担当になることも多く、業務負担や体調管理に影響が生じやすく感じます。
2024年4月の医療・介護保険の改定において、こうした看護師さんの勤務に関して業務負担を軽減する策を講じた訪問看護ステーションを評価する施策が講じられました。
具体的に対策を行っている訪問看護ステーションはまだまだ少数派ですが、訪問看護ステーションの人員基準に看護師さんの常勤の人数があることから、看護師さんが継続して働くことができる事業所が支持されるようになるのではないかと感じています。
以上、参考になれば幸いです。