こんにちは!
理学療法士・看護師・作業療法士など、医療・介護職に携わる方の中には、病院や施設勤務から「訪問看護ステーション」への転職を考える方が年々増えています。しかし、いざ訪問看護の世界へ飛び込もうとすると…
「一人で患者さん宅に行くって不安…」
「急変時はどう対応するの?」
「病院と違ってチームの支援は薄いのでは…?」
そんな不安を抱えて一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか?
でも安心してください。訪問看護は決して“孤独な仕事”ではありません。
現場での支援体制や情報共有の仕組みは日々進化しており、未経験者でも安心して働ける環境が整いつつあります。
この記事では、訪問看護ステーションで初めて働く方向けに、不安を軽減し、前向きにスタートを切るための「心得3選」をご紹介します。
実際に現場で多くの新人スタッフをサポートしてきた立場から、リアルで役立つ内容をお届けします。
【心得①】「一人で行くけれど、一人で抱えない」〜チームの力を信じよう〜
訪問看護の最大の特徴は、「一人で患者宅に訪問する」こと。
初めは「トラブルが起きたらどうしよう」「判断を誤ったらどうなるの?」と不安になるのも当然です。
でも安心してください。訪問看護ステーションには、**“ひとりで判断しない仕組み”**がしっかりあります。
■ 具体的な支援体制
- 訪問前の情報共有(電子カルテや朝礼で共有)
- 緊急時は管理者・医師と即連絡が取れる体制
- 看護師同士のグループLINEやチャットツール活用
- 前任者との同行する機会の確保
「こんなケース、どう考えたらいい?」
「ケアプランとの整合性、大丈夫かな?」
そんな疑問は、その場で相談し、チームで対応するのが基本です。
訪問看護は「一人で行動する」けれど、「チームで支える」仕事です。
【心得②】「不安は“確認”と“準備”で減らせる」〜事前の情報収集が鍵〜
訪問先では、病院のようにナースコールもなければ、隣に医師もいません。
そのため「事前情報」がとても重要です。
■ 不安を減らす準備チェック
- 利用者のADLやバイタル情報の把握
- 主治医やケアマネの指示内容の確認
- 家族の関わりや生活環境のイメージを持つ
訪問する前にこれらの情報を把握し、**「想定できるリスク」**をイメージしておくことで、驚くほど落ち着いて行動できます。
また、初訪問時は先輩と同行することがほとんど。
その際には、**自分の中の「わからないこと」「気になること」**を率直にメモしておき、帰社後すぐ確認しましょう。
「慣れてきたら一人で判断」は禁物。
常に「二重・三重チェック」の意識を持つことが、事故防止にもつながります。
【心得③】「利用者と信頼関係を築く力は“傾聴”から」〜会話がケアの一部〜
訪問看護の魅力の一つが、患者さんとゆっくり関われること。
病院では数分しか取れなかった時間が、訪問では30〜60分としっかり確保されます。
処置が必要な場合には90分までの訪問も可能となります。
その時間の中で、
「この人にだったら、話せる」
「この人が来てくれるから、安心する」
と信頼される関係が築かれていきます。
■ 傾聴のコツは“否定せず、気持ちに寄り添う”
例:
患者さん「最近、体が思うように動かなくてイライラするのよね」
NG「でも、動いてるだけまだいいじゃないですか」
OK「そうなんですね、それはお辛いですね」
このように、**“否定せずに受け止める”**という基本が、訪問の現場ではとても大切。
日々の関係性ができていると、服薬指導やリハビリへの協力もスムーズになります。
不安を減らすために大切な「環境選び」もポイント
心得を持っていても、やはり「職場環境」そのものが合っていないと、苦しいスタートになりかねません。
以下のような点をしっかり確認してから入職を決めることも、安心して働くためには欠かせません。
■ 職場選びで見るべきチェックポイント
- 未経験者への同行・教育体制が整っているか
- チーム内の情報共有・連絡手段が明確か
- 管理者・上司が相談しやすい雰囲気か
これらは、面接時や職場見学で確認することができます。
「求人内容は良さそうでも、実際どうなんだろう…?」と迷ったら、転職サイトのキャリアアドバイザーに相談するのも一つの手です。
転職サイトの活用もおすすめ!メリット・デメリットとは?
■ メリット
- 非公開求人が多く、高条件の職場を探しやすい
- 訪問看護に強いエージェントが状況に合わせてアドバイス
- 職場の内情(教育体制・人間関係)も事前に把握できる
■ デメリット
- 担当者によって情報の質に差があることも
- 希望と違う求人を強くすすめられる場合もある(断ることは可能)
迷ったら複数サイトを併用することで、求人の幅や比較もしやすくなります。
最後に:訪問看護は「やりがい」と「成長」を実感できる場所
初めて訪問看護の現場に立つと、不安なことも確かに多いです。
でもその分、利用者さんと深く関われたり、病院では味わえない達成感があったり、「人間力」そのものが磨かれる仕事でもあります。
不安は“悪いもの”ではありません。
それを乗り越えようとする姿勢が、成長へとつながっていきます。
今回ご紹介した3つの心得を参考にしながら、ぜひ前向きに、訪問看護という新しいステージへチャレンジしてみてください。