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CAREとCUREとリハビリと

訪問看護
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CAREとCUREの違いは、リハビリテーションや医療の分野で重要な概念です。
この2つのアプローチは、患者のケアに対する異なる視点を表しています。
実は私の大学入試の小論文において『CAREとCUREの違いを論じなさい』との課題がでていました。改めて解説していきます。

CAREの概念

CAREは「世話をする」「気遣う」という意味を持ち、以下の特徴があります:

  1. 全人的アプローチ:患者を身体的、精神的、社会的な側面を含む全人的な存在として捉えます。
  2. 長期的視点:慢性疾患や障害を持つ患者の長期的な生活の質(QOL)の向上に焦点を当てます。
  3. 予防と維持:疾病の予防や現状の機能維持に重点を置きます。
  4. 患者中心:患者の個別のニーズや希望を尊重し、それに応じたケアを提供します。
  5. 多職種連携:医療従事者だけでなく、家族や介護者も含めたチームアプローチを重視します。

CUREの概念

CUREは「治療する」「治す」という意味を持ち、以下の特徴があります:

  1. 疾病中心:特定の疾患や症状の治療に焦点を当てます。
  2. 短期的目標:急性期の治療や症状の改善など、比較的短期的な目標を設定します。
  3. 医学的介入:薬物療法や手術など、直接的な医学的介入を重視します。
  4. 専門性:各医療専門分野の知識と技術を活用して治療を行います。
  5. 結果重視:症状の改善や疾病の治癒といった具体的な結果を目指します。

CAREとCUREの比較

特徴CARECURE
焦点全人的ケア疾病治療
期間長期的短期的
アプローチ予防・維持治療・改善
視点患者中心疾病中心
目標QOL向上症状改善

リハビリテーションにおけるCAREとCURE

リハビリテーションの分野では、CAREとCUREの両方の要素が重要です:

  1. 急性期:CUREの要素が強く、症状の改善や機能回復に焦点を当てます。
  2. 回復期:CAREとCUREのバランスを取り、機能回復と同時に日常生活への適応を目指します。
  3. 維持期:CAREの要素が強くなり、生活の質の維持・向上や社会参加の促進に重点を置きます。

理学療法士をはじめとするリハビリテーション専門職は、患者の状態や段階に応じて、CAREとCUREの要素を適切に組み合わせながら介入を行います。

まとめ

CAREとCUREは、患者のケアに対する補完的なアプローチです。
現代の医療やリハビリテーションでは、この両方の要素を適切に組み合わせることで、より効果的で包括的な患者ケアを提供することが求められています。
リハビリテーション専門職は、この2つの概念を理解し、患者の状態や目標に応じて柔軟に適用することが重要です。

個人的な経験から伝えると、新人の頃はCUREにかなり偏ってリハビリテーションを提供していました。機能回復こそが醍醐味、身体能力の改善が腕の見せどころと感じていました。もちろん大切な考え方であり、昨日できなかったことが、明日にはできる、患者さん、ご家族様から見ても明らかに身体機能、動作が改善、回復し、感謝される機会にも恵まれます。直接感謝されることは医療職としても生きがいとしても魅力を感じます。
しかし、デイケアや訪問リハビリといった維持期のリハビリテーションに関わる経験を通して、身体機能の回復、動作能力を獲得することを感じられることが少ないことにも気づきました。もちろん、私の知識・能力、技術不足により十分な理学療法が提供できていないことで動作能力の改善ができていない場合もあります。しかし、利用者さんがいかに日常生活を送るのか、どう生きるのかという課題にも触れる機会も増え、CUREだけでなく、CAREの観点も大切にしなければならないと実感する機会も増えました。

以上、参考になれば幸いです。

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