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【紹介】福祉用具専門相談員とは?高齢者の生活を支えるプロフェッショナルの魅力と役割

訪問看護
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超高齢社会を迎えた日本では、高齢者や障がいのある方が「自分らしく生きる」ための支援がますます重要になってきています。その中で、車いすや介護ベッドなどの「福祉用具」をうまく活用することは、生活の質(QOL)を大きく左右するポイントです。

その“福祉用具”のプロフェッショナルが「福祉用具専門相談員」です。本記事では、初心者でも分かりやすく、福祉用具専門相談員の仕事内容や魅力、資格取得方法、そしてケアマネジャーとの連携まで詳しくご紹介します。


■ 福祉用具専門相談員とは?

福祉用具専門相談員は、高齢者や障がいのある方が安全・快適に暮らすために必要な福祉用具の選定・調整・使用指導を行う専門職です。

「歩くのが不安」「ベッドから起き上がるのがつらい」といった日常生活の困りごとに対し、専門知識をもって最適な用具を提案し、利用者が自分らしく生活できるようサポートします。

単なる“福祉用具の販売員”ではなく、「生活のアドバイザー」であり「安心のパートナー」として、利用者とご家族に寄り添う存在です。


■ 福祉用具専門相談員の主な仕事内容

福祉用具専門相談員の業務は多岐にわたります。以下にその代表的な業務を紹介します。

1. 利用者へのヒアリング・アセスメント

まず、利用者の身体の状態(筋力・バランス・認知症の有無など)や生活環境(住まいの間取り、家族構成など)を細かくヒアリングします。

例:

  • 狭い廊下では、どんな歩行器が合うか?
  • トイレが遠い場合、ポータブルトイレの提案はできるか?

2. 福祉用具の選定と提案

ヒアリングをもとに、利用者に最も適した用具を選定。機能面だけでなく、心理的な抵抗感(「こんなの使いたくない」など)にも配慮します。

選定の一例:

  • 車いす:自走式か介助式か
  • ベッド:電動リクライニングの必要性
  • 杖や歩行器:安定性と歩行能力のバランス

3. 福祉用具の調整と使用説明

納品時には、用具を使用者の身体に合わせて調整し、安全な使い方を説明します。

例えば:

  • 車いすの足置き高さ調整
  • 歩行器のブレーキの使い方指導
  • ベッドの高さや手すりの位置調整

4. 定期的な訪問・点検

貸与している福祉用具に問題がないか、定期的に利用者の自宅を訪問して点検やメンテナンスを行います。

故障や不具合がある場合、速やかに交換や修理を行うことで、安全性を保ちます。


■ 資格取得方法と要件

福祉用具専門相談員になるためには、「指定講習の修了」が必要です。

【講習内容】

  • 所定の50時間の講義と演習を受講
  • 講義の内容は、介護保険制度、障害理解、福祉用具の基礎知識、安全対策、住環境の整備など

講習は、都道府県が指定する研修機関(民間事業者が多い)で開催されており、修了証を得れば、すぐに現場で働けます。

【講習免除となる国家資格】

以下の国家資格保持者は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として働くことができます。

  • 看護師、准看護師
  • 保健師
  • 理学療法士、作業療法士
  • 介護福祉士
  • 義肢装具士 など

■ 福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違いと連携

福祉用具を扱う現場では、「ケアマネジャー(介護支援専門員)」との連携が不可欠です。
それぞれの専門性は異なりますが、利用者の生活を支えるという共通の目的のもと、協力して働いています。

項目福祉用具専門相談員ケアマネジャー
役割用具の選定・調整・説明介護全体のプラン作成と調整
対象福祉用具の必要がある方要介護認定を受けた全ての高齢者
資格指定講習または国家資格国家資格(介護支援専門員試験)
関係性ケアプランに基づいて提案福祉用具の利用も含めて管理

【連携の流れ】

  1. ケアマネがケアプランを作成
  2. 福祉用具専門相談員が用具を提案
  3. ケアマネが提案を承認し、サービス開始
  4. 双方で経過観察や情報共有を行い、必要に応じてプランを修正

このように、互いに補完し合いながら、利用者の暮らしを支えています。


■ 福祉用具サービス計画書について

福祉用具専門相談員は、「福祉用具サービス計画書」を作成し、利用者の介護保険サービスに位置づけられたサービスとして用具を貸与・販売します。

【計画書に必要な項目】

  • 利用者の基本情報(氏名、性別、要介護度など)
  • 利用目的と期待される効果
  • 提供する用具とその理由
  • 使用上の留意点、安全対策
  • ケアマネジャーや他職種との連絡事項

この計画書は、ケアマネジャーの作成した「居宅サービス計画(ケアプラン)」と整合性を持たせる必要があります。


■ 現場での連携と信頼関係づくり

福祉用具専門相談員は、医療職・介護職・行政・ご家族など、多くの関係者と連携して動きます。
特に理学療法士や作業療法士とは、歩行能力や関節可動域などの評価結果を共有し、より的確な用具選定が可能になります。

また、利用者の「使い心地が悪い」「違和感がある」といった声に丁寧に耳を傾け、調整や改善を重ねることで信頼を築いていきます。


■ 福祉用具専門相談員の魅力とやりがい

◎ 「ありがとう」が直接届く仕事

自分が選んだ福祉用具で、利用者の表情が明るくなったり、「これで外出できるようになった」と感謝されることも。
誰かの“生活の一部”を支えられる、非常にやりがいのある仕事です。

◎ 専門知識を活かして長く働ける

経験を積むことで、より深い知識や判断力が求められる分野です。介護・医療・建築(住環境整備)など幅広い分野に関心を持てる方には非常に向いています。

◎ 働き方の選択肢が豊富

  • 福祉用具貸与・販売事業所
  • 介護施設
  • 医療機関
  • 自治体の福祉窓口 など

正社員・パート・業務委託など、ライフスタイルに合った働き方が可能です。


■ まとめ:暮らしを支える“縁の下の力持ち”に

福祉用具専門相談員は、単なるモノの提供者ではなく、「人の生活をつくる支援者」です。
歩行器一つ、ベッドの高さ一つが、その人の「暮らし方」を大きく変えることもあります。

社会的な意義が高く、やりがいも大きい仕事。これからの高齢社会において、ますます重要な存在になっていくでしょう。

興味を持った方は、まずは講習からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?