介護で使用する入浴台は、高齢者や身体に不自由のある方の入浴をサポートする重要な道具です。
介護保険では購入の補助を受けることができますが、返品ができない福祉用具になります。
ここでは、入浴台の種類、選び方、使用方法、注意点などについて詳しく説明し、失敗しない福祉用具を選定を行う知識をつけていきましょう。
入浴台の種類
入浴台には主に2種類あります:浴槽台とバスボードです。
浴槽台
浴槽台は、お風呂場の踏み台や椅子として使える台です。
主な特徴は以下の通りです:
- 浴槽への出入りを容易にする
- 洗い場や浴槽内で座るのに便利
- 立ち上がりや浴槽またぎがしやすくなる
ただし、浴槽内で椅子として使用すると、肩までお湯につかることができなくなる欠点があります。
バスボード
バスボードは、座ったまま浴槽に出入りすることをサポートする器具です。
主な種類は以下の通りです:
- 固定式
- 回転式
- 座面跳ね上げ式
入浴台の選び方
浴槽台の選び方
- 浴槽の大きさや使い方
- 使用する浴槽の確認
天板サイズの選び方
- 標準タイプ:両足が収まり、安定感のある天面。広さが必要な方におすすめ。浴槽の底面幅は44cm以上。
- ミニタイプ:浴槽底の曲面形状が大きい浴槽や底面幅の狭い浴槽(33cm以上43cm以下)に適している。
天板シートの選び方
- すべり止めシートタイプ:主に踏み台として使用する方におすすめ。またぎ時の滑りによる転倒を防ぐ。
- ソフトクッションタイプ:主に椅子として使用する方におすすめ。長時間入浴してもお尻が痛くなりにくい。
バスボードの選び方
- 使用者の身体状況
- 浴槽の形状や大きさ
- 介助の必要性
入浴台の使用方法
浴槽台の使用方法
- 浴槽への出入りの補助
- 洗い場や浴槽内での椅子代わり
バスボードの使用方法
自立入浴の場合
- バスボードの縁に座る
- グリップや手すりを掴んで、浴槽側の足から入る
- 浴槽内のグリップや手すりを掴んで立ち上がる
浴槽から出る際は、逆の手順で行います。
介助入浴の場合
- シャワーチェアからバスボードに臀部を移動させる
- 片足ずつ浴槽に入る
浴槽から出る際は、逆の手順で行います。
浴槽台とバスボードの併用
浴槽台とバスボードを併用することで、より安全で快適な入浴が可能になります。
併用方法は以下の通りです:
- 浴槽台を浴槽内に設置
- バスボードを浴槽の縁に取り付ける
- バスボードに座って浴槽内に移動
- 浴槽台に移動して入浴
入浴台使用時の注意点
入浴台を使用する際は、以下の点に注意が必要です:
- 設置前に浴槽の形状や大きさを確認する
- 使用前に入浴台がしっかりと固定されていることを確認する
- 濡れた状態での使用は滑りやすいので注意する
- 定期的に入浴台の点検と清掃を行う
入浴台のメリットとデメリット
メリット
- 浴槽への出入りが容易になる
- 転倒リスクを軽減できる
- 介助者の負担を軽減できる
- 自立入浴をサポートする
デメリット
- 浴槽内での使用時に肩までお湯につかれない場合がある1
- 設置スペースが必要
- 定期的なメンテナンスが必要
入浴台の選び方のポイント
- 使用者の身体状況を考慮する
- 浴室の広さや浴槽の形状に合わせて選ぶ
- 介助の必要性を考慮する
- 安全性と使いやすさのバランスを取る
- 耐久性と清掃のしやすさを確認する
入浴台の材質と特徴
入浴台の主な材質とその特徴は以下の通りです:
- プラスチック製
- 軽量で扱いやすい
- 水に強く、錆びない
- 比較的安価
- ステンレス製
- 耐久性が高い
- 清掃が容易
- プラスチック製より重い
- アルミ製
- 軽量で強度がある
- 錆びにくい
- 比較的高価
入浴台の清掃と管理
- 使用後は水で洗い流し、よく乾燥させる
- 定期的に中性洗剤で洗浄する
- カビや汚れが付着しないよう注意する
- 破損や劣化がないか定期的に点検する
- 異常が見られた場合は使用を中止し、交換または修理を検討する
入浴台の選び方のチェックリスト
- 使用者の身体状況を確認する。
- 浴室の広さと浴槽の形状を測定する。
- 介助の必要性を考慮する。
- 材質と耐久性を確認する。
- 安全機能(滑り止めなど)を確認する。
- 価格と予算を比較する。
- メーカーの保証内容を確認する。
- 使用者や介助者の意見を聞く。
入浴台の安全な使用のためのヒント
- 入浴前に入浴台の安定性を確認する
- 滑り止めマットを併用する
- 浴室内の照明を明るくする
- 入浴時は急な動きを避ける
- 必要に応じて手すりを設置する
- 入浴後は入浴台を十分に乾燥させる
入浴台の選び方の失敗例と対策
浴槽の形状に合わない入浴台を選んでしまった
。
購入前に浴槽の寸法を正確に測定し、適合性を確認しましょう。
体重に耐えられない入浴台を選んでしまった
入浴台の耐荷重を購入前に確認しましょう。
入浴台の選び方Q&A
Q1: 入浴台の耐用年数はどのくらいですか?
A1: 一般的に3〜5年程度ですが、使用頻度や管理状態によって異なります。定期的な点検と適切な管理で長く使用できます。
Q2: 入浴台は保険適用になりますか?
A2: 介護保険の福祉用具貸与の対象となる場合があります。ケアマネージャーや医療機関に相談してください。
Q3: 入浴台は自分で設置できますか?
A3: 多くの入浴台は自己設置可能ですが、安全のため専門家に依頼することをおすすめします。
Q4: 入浴台の高さはどのように選べばいいですか?
A4: 使用者の身長や浴槽の高さを考慮し、座った状態で足が床につく高さを選びます。
Q5: 入浴台は体重制限がありますか?
A5: はい、製品によって異なりますが、一般的に100kg〜150kg程度の耐荷重があります。必ず製品仕様を確認してください。
まとめ
介護で使用する入浴台は、高齢者や身体に不自由のある方の入浴をサポートする重要な道具です。
浴槽台とバスボードの2種類があり、それぞれ特徴や使用方法が異なります。入浴台を選ぶ際は、使用者の身体状況、浴室の環境、安全性、使いやすさなどを総合的に考慮することが大切です。
適切な入浴台を選び、正しく使用することで、安全で快適な入浴生活を送ることができます。入浴台の導入を検討する際は、専門家のアドバイスを受けたり、実際に試用してみるなど、慎重に選択することをおすすめします。
また、定期的なメンテナンスと点検を行い、安全性を確保することも重要です。入浴台は介護の質を向上させる重要なツールの一つであり、適切な選択と使用により、介護者と被介護者の双方の負担を軽減し、より快適な生活を実現することができます。
以上、参考になれば幸いです。