理学療法の起こり
理学療法士の起源は、古代ギリシャのヒポクラテの時代まで遡ります。
彼は、運動が健康維持や疾患回復に有効であること、太陽や水、熱を利用した物理療法が行われています。
現代の理学療法は、第一次世界大戦中のアメリカで大きく発展し、戦争による傷病者のリハビリが必要とされたため、技術者が育成されてきました。
日本では大正時代に理学療法が始まり、1960年代に認定されました。 1963年には国立治療所東京病院附属リハビリテーション学院が設立され、1965年には「理学療法士及び作業療法士法」が成立しました。
日本の理学療法について
日本初の理学療法士養成校は、1963年に東京都清瀬市に設立された国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院になります。
この学院は、理学療法士と作業療法士の養成を目的として開校されました。その背景には、厚生省(現在の厚生労働省)が医学的リハビリテーションを重要視し、WHOの要請を受けて理学療法士の早急な養成が求められたことがあります。学院は2008年に閉校しましたが、その設立は日本の理学療法士制度の基盤を築く重要なステップでした。
日本理学療法士協会について
日本理学療法士協会は、1966年7月17日に設立されました。
設立当初の会員数は110名で、国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院で設立総会が行われました。この協会は、理学療法士の地位向上を目指し、学術、教育、職能、国際、広報活動を展開しています。
協会の活動は多岐にわたり、1972年には厚生省から社団法人として認可されました。1974年には世界理学療法連盟に加盟し、国際的な活動も積極的に行っています。
1990年には日本学術会議から学術研究団体として認定され、理学療法が科学として認められる一歩となりました。協会は教育にも力を入れており、1994年に新人教育プログラムを開始し、その後生涯学習システムを導入しました。また、大学教育の拡充にも寄与し、1992年には広島大学で理学療法専攻が始まりました。
公益社団法人としての認可は2012年に得られ、その後も社会貢献活動を続けています。東日本大震災後には被災地でのリハビリステーション開設なども行い、地域社会への貢献を重視しています。
世界の理学療法について
世界の理学療法士について、以下の情報があります。
世界理学療法連盟(World Physiotherapy)
- 世界理学療法連盟は、128の国と地域を代表するグローバルな組織で、625,000人以上の理学療法士を代表しています。
- 連盟は、理学療法士の専門職の発展を目指し、様々な国際会議やイベントを開催しています。
理学療法士の現状
- 世界中で理学療法士の開業権がある国は78%に達しており、多くの国で理学療法士が独立して活動できる環境が整っています。日本では開業権はありません。
- 理学療法士の教育水準は地域によって異なり、63%が自律的に業務を行うための教育を受けています。
地域別の動向
- アジアでは、理学療法士の数が急増しており、教育プログラムも充実しています。アジア地域では709コースが提供されており、ヨーロッパを上回っています。
- 各国の人口1万人当たりの理学療法士数では、ノルウェーやフィンランドが高い数値を示しています。一方で、アフリカなど一部地域では理学療法士が不足しています。
日本における状況
- 日本は世界で3番目に多くの理学療法士を擁しており、その数は100,560名に達しています。
- 理学療法士養成校も増加し、現在249校が存在し、毎年約10,000人が新たに資格を取得しています。
- 理学療法士には日本で開業権がありません。法律上、理学療法士は医師の指示の下でのみ理学療法を提供することができるため、独立して理学療法を行うことはできません。
- 理学療法士は介護予防事業やデイサービスなどの分野で開業することが可能です。この場合、理学療法士としての知識を活かしつつも、直接的な医療行為を行わない形でサービスを提供します。
まとめ
理学療法士の数はどんどん増えて、今では多くの人が働いています。特に、高齢者やけがをした人のリハビリ(リハビリテーション)が大切になってきています。理学療法は、みんなが元気に生活できるよう手助けする大事な仕事です。
以上、参考になれば幸いです。