リハビリテーション(リハビリ)は、機能回復訓練以上の広い意味を持つ概念です。
以下にリハビリテーションの主要な側面を説明します。
リハビリテーションの定義と目的
リハビリテーションは、「人間らしく生きる権利の回復」と「自分らしく生きること」を目指すすべての活動を向きます。
その言語源はラテン語の「re(再び)」と「habilis(適した)」に由来し、発展以前と変わらない何度も人生を目指すことを意味します。
WHOによれば、リハビリテーションは「能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するための、あらゆる手段を含む」と定義されています。
リハビリテーションの範囲
リハビリテーションは以下の4つの主要分野を含む総合的なアプローチです:
- 医学のリハビリテーション
- 社会リハビリテーション
- 教育リハビリテーション
- 職業リハビリテーション
これらの分野が溶け込んで、総合的なリハビリテーションサービスが提供されます。
リハビリテーションの実施
リハビリテーションは、患者の状態や疾患からの期間に応じて、以下の段階で実施されます:
- 急性期
- 回復期
- 維持期(生活期)
特に急性期は、身体機能の回復や日常生活動作の改善が効果的に認められる時期とされています。
リハビリテーションの専門家
リハビリテーションには様々な専門家が関わります:
- 医師
- 看護師
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
- 臨床心理士
- 体育指導員
- 義肢装具士
- ソーシャルワーカー
これらの専門家が協力して、患者に合わせた個別のリハビリテーション計画を立て、実施します。
リハビリテーションは、限定身体機能を回復させるだけでなく、患者が社会に再統合し、自分らしい生活を送るようになることを目指すプロセスになります。
理学療法とは
筋力トレーニング
- マシンを使用したトレーニング: 足や腕、全身の筋力を強化するために、患者の状態に合わせて負荷をかけられるマシンを使用します。
- 自重トレーニング:マシンを使わずに、自分の体重を利用した運動も行います。
関節可動域
- ストレッチ:痛みのない範囲で関節の動きを改善します。
- マッサージ:筋肉の緊張を少し、柔軟性を高めます。
歩行訓練
- 立ち上がり訓練: 座位から立位への移行を練習します。
- 平行棒での歩行: サポートを得ながらの歩行の基本を練習します。
- 階段昇降: 日常生活で必要な動作として、階段の上り下りを練習します。
装具を使用した訓練
- 装具の選定: 患者の状態に合わせて適切な装具を選びます。
- 装着訓練: 装着具の正しい装着方法を学びます。
作業療法
日常生活動作(ADL)訓練
- 食事動作: 箸や食器の使用を練習します。
- さらに衣動作: ボタンの掛け外しや靴紐の結び方を練習します。
- 整容動作: 歯磨きや髪のセットなどを練習します。
調理訓練
- 包丁の使い方: 安全な包丁の扱い方を学びます。
- 火の取り扱い:コンロの安全な使用方法を練習します。
- 食器洗い:濡れた手での作業を安全に行う方法を学びます1。
生活訓練
- 布団の上げ録: 畳の上での寝起きを練習します。
- 掃除機がけ: 家事の動作として掃除機の使い方を練習します。
- 洗濯物干し:バランスを保ちながら洗濯物を干す練習をします。
言語聴覚療法
言語訓練
- 発音練習: 個別の音や単語の発音を練習します。
- 会話練習:日常的な会話のシミュレーションを行います。
- 読解・書字練習: 文章の読み書きを練習します。
高次脳機能訓練
- 記憶力トレーニング:短期記憶と長期記憶の向上を目指します。
- 注意力トレーニング:集中力を高める練習を行います。
- 問題解決能力の向上: 日常生活での判断力を養います。
嚥下訓練
- 嚥下の体操:首や舌の筋肉を鍛える体操を行います。
- 食事姿勢の指導:安全な食事姿勢を学びます。
- 食形態の調整:患者の嚥下の能力に合わせた食事形態を提案します。
これらのリハビリテーションは、患者のためのや目標に合わせてカスタマイズされ、専門のセラピストの指導のもとで実施されます。には日常生活や社会生活への悩みな復帰を目指します。
まとめ
実務の中では、機能訓練をすることをリハビリと同じような意味で利用することが多い印象です。
言葉かけの方法も、【リハビリしましょう】が多くあります。
急性期のリハビリテーションでは病前の前の身体機能になるために、リハビリテーションに取り組むことが多く、また機能回復の速度も最も早く、効果を感じることが多くあります。
しかし、病気や怪我の発症、受傷から時間が経てば立つほど機能回復に時間がかかることも多く、リハビリテーションを受けることができる機会や時間も減少してきます。
特に維持期のリハビリテーションを受ける場合は、現在の身体能力だとしても、その人がその人らしく生活や人生を送るために、環境面や代償方法を実践することも一つの方法であるとも感じています。
何を正解とするのかは個人差が多くありますが、担当しているリハビリ職としっかりと話し合い、何を目指すのか?何をできるようになりたいのか?を具体的に決めることがよりよいリハビリテーションになると思います。
以上、参考になれば幸いです。