訪問看護や訪問リハビリ、介護の仕事では、思った以上に「声」を使います。
利用者さんへの説明や言葉かけ、ご家族や関係機関とのやり取りなど、業務の多くが言葉によって成り立っています。
しかし、毎日の業務で声を酷使していると、「声が枯れる」「かすれ声になる」といった喉のトラブルが起こりやすくなります。
声が出にくい状態は、仕事のパフォーマンスや利用者さんへの信頼にも影響してしまうため、早めの対策が大切です。
この記事では、現場での実体験をもとに、声枯れ・かすれ声の原因と、今日からできる簡単な喉ケア対策をご紹介します。
- 訪問業務での喉への負担
- 声の枯れが業務にあたえる影響
- 喉の不調を感じたときに取るべき対策
- 日常で実践できる喉ケア方法
- 訪問業務を続けながら、声を守るための習慣づくり
訪問業務では声を使う場面がとても多い
利用者さんへの説明や言葉かけ、ご家族への説明、関係機関との連絡など、
メールや共有アプリも浸透していますが、実際の現場では電話対応が主体です。
緊急の連絡や詳細な説明になると、電話が20分以上続くこともあります。
また、利用者さんの中には聴覚の低下や認知機能の低下がある方も多く、
伝わりやすくするために「大きな声で、ゆっくり、何度も」説明を行うことがあります。
この繰り返しの声掛けが、喉への負担を積み重ねてしまうのです。
さらに、外気や乾燥した空間に長時間いることも多く、
花粉やホコリ、エアコンによる乾燥などが喉を刺激します。
水分補給もこまめに取ることが難しく、結果的に喉の粘膜が乾燥しやすい環境になります。

声が枯れる・かすれ声による弊害
利用者さんへの影響
リハビリや看護、介護業務では「言葉かけ」が不可欠です。
しかし、声がかすれてしまうと説明が聞き取りづらくなり、十分なコミュニケーションが取れない状態に。
結果として、業務の質や安全面に影響を与えてしまうこともあります。
また、声が枯れていることで利用者さんから「体調が悪いのでは?」
「インフルエンザなどの感染症なのでは?」と心配されてしまうこともあります。
見た目は元気でも、声だけで印象が変わってしまうのです。
業務への影響
声が出にくいまま仕事を続けると、説明や報告がうまく伝わらず、仕事そのものを休む必要が出てしまう場合もあります。
訪問業務では担当スタッフが休むと利用者さんの生活リズムに影響が出るため、
「自分の声の不調が利用者さんに迷惑をかける」ことに心苦しさを感じる人も多いです。
自分の体への影響
無理して声を出し続けると、喉の炎症が長引き、声帯炎やポリープのリスクが高まります。
一度痛めると回復に時間がかかり、話すたびに痛みを感じることも。
喉を守ることは、自分の体を守ることでもあります。
喉の不調を感じたときの対策方法
無理せず喉を休ませる
喉に違和感を感じたら、まずは声を出す回数を減らす意識を持ちましょう。
「話さない」というのは難しいですが、休憩中などの短時間でも声を休ませることで回復を早められます。
早めの受診で悪化を防ぐ
喉の違和感が続く場合は、耳鼻科などの医療機関を早めに受診することも大切です。
早期の治療で炎症を抑える薬を処方してもらえれば、症状が悪化する前に対処できます。
忙しくて受診が難しい場合でも、「違和感があるうちに相談する」ことがポイントです。
私が実践している喉ケア方法
喉スプレー 手軽に潤す即効ケア
訪問の合間など、すぐに喉を潤したいときには喉スプレーを使っています。
飴のように時間がかからず、その場ですぐにケアできるのが利点です。
携帯しやすいミニボトルタイプなら、ポケットに入れておいても邪魔になりません。

喉あめ ゆっくり潤す持続ケア
飴は舐め終わるまでに時間がかかるものの、喉を長時間潤すことができるのが魅力です。
特に乾燥した季節や暖房の効いた空間では、喉の粘膜を保護するのに役立ちます。
こまめな水分補給 喉を乾かさない習慣
喉の乾燥を防ぐ基本は、水分補給です。
訪問業務中は時間の都合で水分を控えがちですが、こまめに飲むことで喉の炎症を防げます。
冷たい水ではなく、常温や白湯がおすすめです。
外出先でも温かい飲み物を維持できる保温水筒を使うと、喉ケアがぐっと楽になります。

まとめ:声を守ることは、自分を守ること
訪問看護・リハ・介護職にとって、声は仕事の道具です。
喉を酷使し続けると声枯れ・かすれ声だけでなく、体調全体にも影響を与えます。
日々のちょっとしたケアを積み重ねることで、長く快適に仕事を続けることができます。