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【訪問リハ・訪問看護に従事する方へ】正座の痺れ、我慢していませんか?〜正座の知識と対策〜

生活の知恵
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その正座、本当に必要ですか?

訪問リハビリや訪問看護、ケアマネジメントの現場では、日々さまざまな生活空間に身を置き、利用者さんやご家族、他職種と連携しながら業務を行うことが求められます。

そのなかでも、担当者会議やご自宅での面談、記録記入の際に「正座をする機会が多い」と感じていませんか?

  • 利用者さん宅で遠慮してつい正座してしまう…
  • 畳の部屋での担当者会議は、ほぼ正座…
  • 書類記入や計画書の説明中、足元がじわじわと痺れてくる…

こんな経験、訪問職のあるあるですよね。正座が日本文化の中に根付いているとはいえ、現代の働く環境において「足が痺れること」を我慢しているスタッフは少なくありません。

本記事では、「正座」に関する基本知識をはじめ、なぜ足が痺れるのか、そして少しでも痺れを軽減する方法について、理学療法士の視点も交えながら詳しくご紹介します。


正座とは?日本文化に根差した“礼”のかたち

正座は、膝を揃えて床に着け、足の甲を地面につけて腰を落とす、日本の伝統的な座り方です。茶道や華道、書道などの“道”を学ぶ場ではもちろん、家庭や法事など日常的な場面でも広く用いられてきました。

正座の基本的な姿勢

  • 膝をぴったりと揃え、座布団の上または畳に膝をつける
  • 足の親指を重ねず、甲を床にぴったりとつける
  • 骨盤を立て、背筋を伸ばす
  • 両手は太ももの上に置く

この姿勢は美しく、また礼儀を重んじる日本独自の文化として長く受け継がれてきました。


そもそも、なぜ正座で足が痺れるのか?

正座をしていると、10分、いや5分も経たないうちに「足の感覚がなくなる」「ジンジン痛い」「立ち上がると転びそう」と感じたことは誰しもあるはず。

正座によって痺れる理由は、主に以下の3つです。

① 血流の圧迫

正座中、膝を深く曲げ、太ももでふくらはぎを圧迫することで、足先に向かう血流が遮られやすくなります。血行が悪くなり、末端に酸素や栄養が届かず、いわゆる「痺れ」を感じます。

② 神経の圧迫

正座の姿勢では、腓骨神経(膝の外側から足首にかけて走る神経)や脛骨神経などが圧迫されやすくなります。とくに足首の甲にかかる体重が、神経に直接負荷を与え、異常な感覚が生じることも。

③ 静脈のうっ滞

足にたまった静脈血が戻りにくくなり、結果的にむくみや感覚異常の原因となることもあります。静脈のポンプ作用が働きにくくなることも、痺れを助長します。


足が痺れにくくなるための対策7選

「じゃあ、正座なんてやめればいい」と思われるかもしれませんが、現場ではそう簡単にいかないことも多いですよね。

実際に訪問スタッフや理学療法士が行っている、足の痺れを軽減する工夫をご紹介します。

1. 正座の時間を最小限にする

まずできることは、そもそも正座を「長時間しない」ことです。会議中や説明中など、話の区切りやタイミングを見計らって一度足を崩す、椅子に座る選択肢を提示するなど、少しでも時間を短くすることが大切です。

利用者様に近づく、他の参加者の発言時に足を崩す方法もあります。

2. 小さなクッションを持ち歩く

正座用のミニ座布団(正座いす)や、折りたためるクッションを携帯することで、足首やふくらはぎへの負担を軽減できます。圧迫される神経や血管への力が和らぐことで、痺れのリスクが軽減されます。

そこでおすすめしたいのが、こちらの【携帯用 低反発 正座補助クッション】です。

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特徴とメリット

  • 低反発ウレタン使用でお尻・膝への圧力をやわらげる
  • コンパクトに折りたたみ可能で、訪問バッグにもすっぽり収納
  • 軽量&取っ手付きで持ち運びが簡単
  • 法事・参拝・茶道・ヨガなど多用途に使えるデザイン
  • 黒・紺など落ち着いた色合いで、場の雰囲気を損なわない

「使っていて恥ずかしい」と思う必要はありません

正座が厳しいのは決して特別なことではなく、自然なこと。自分の身体を守りながら、相手に失礼のない形で配慮することが、今の時代のマナーとも言えるのではないでしょうか。

3. 足首の位置を少し工夫する

足の親指を重ねないようにする、足の甲を少し外側にずらすなどして、足の構造への圧迫を均等に分散させます。無意識に体重がかかるポイントが偏ると、痺れが出やすくなります。

4. 軽く足を動かす

座ったままでも、足指をグーパーする・足首を軽く回す・ふくらはぎの筋肉をギュッと収縮させる、などの小さな運動で、血流を促すことができます。これを習慣化するだけで、かなり違いが出ます。

5. 立ち上がった直後は慌てて歩かない

痺れているときに急に立ち上がると、足がもつれて転倒する可能性も。ゆっくり膝を伸ばし、ふくらはぎを軽くマッサージしてから動くようにしましょう。

6. むくみ・冷え性対策をする

日頃から足のむくみや冷え性がある方は、正座中の痺れがより強く出やすいです。弾性ストッキングの使用や、こまめなストレッチ・水分補給などの生活習慣も整えるよう心がけましょう。

7. 正座の代替姿勢を知っておく

  • 横座り:女性によく見られる座り方で、膝を左右どちらかに崩す。少し姿勢は崩れるが、足への負担が軽減される。
  • あぐら:少しくだけた場面や、腰痛がある方におすすめ。骨盤を立てて座れば腰への負担も減ります。
  • 膝立ち:短時間であれば、膝立ちも有効。上下動が楽なので、介助や作業時にも応用可能。

痺れた足のリカバリー方法

もしも足が痺れてしまった場合、以下の手順で素早く回復を促しましょう。

  1. ゆっくりと体を横に傾けて正座を解く
  2. 足を前に伸ばし、足首を大きく回す
  3. ふくらはぎを優しくマッサージ
  4. 立ち上がる前に、つま先立ちや踵上げ運動で血流を促す
  5. 無理に歩かず、感覚が戻るまで数分待つ

無理に動こうとせず、体の感覚に耳を傾けることが大切です。


理学療法士としての視点:無理な正座は筋骨格系にも悪影響

正座は一見“きちんとした姿勢”に見えますが、長時間の正座は膝関節、足首、股関節に不自然なストレスを与える姿勢でもあります。特に以下のような方には注意が必要です:

  • 膝関節の拘縮やOA(変形性膝関節症)のある方
  • 足関節の可動域制限がある方
  • 下肢静脈瘤、末梢循環障害を抱えている方

訪問時に自分自身が正座を選ばないことは、決して無礼ではありません。むしろ「自身の健康を守ることも専門職としての責任」と言えるでしょう。


まとめ:無理をしない、でも配慮は忘れない働き方を

正座は日本の美しい文化ですが、それが身体の負担になっているのであれば、柔軟に対応することもプロフェッショナルな判断です。

無理せず働くために

  • 正座は必要なときだけに限定する
  • 足が痺れたときは、すぐに対応できる知識をもつ
  • 身体に優しいグッズや工夫を積極的に活用する
  • 会議や説明の場でも、椅子やテーブルの使用を提案する

訪問リハや看護において、自分の身体を守ることは、長く質の高い支援を届けるための第一歩です。

無理せず、でも心配りを忘れない。そんなバランス感覚を大切に、日々の現場に臨んでいきましょう。