訪問看護ステーションで働く看護師は、利用者の自宅や施設を訪問し、看護ケアを提供する仕事を行います。
1日の訪問件数は平均5~6件程度で、移動時間や事務作業も含めたスケジュール管理が重要です。
以下では、初心者にも理解しやすい具体例を交えて、典型的な1日の流れを詳しく解説します。
8:30~9:00 出勤・朝礼
- 出勤後の準備
訪問看護ステーションの始業時間は通常8:30頃です。出勤後は朝礼が行われ、職員間で連絡事項の共有や昨日のオンコール対応内容について報告・相談します。
また、利用者の状態やケア内容について話し合い、当日の訪問スケジュールを確認します。 - 訪問準備
朝礼後には訪問バッグの準備や書類確認を行います。必要に応じてケアマネージャーや利用者家族と連絡を取り、訪問前の調整を行うこともあります。
9:30~12:00 午前の訪問
- 午前中の訪問件数
午前中は1~2件ほど訪問します。移動手段は車、自転車、公共交通機関などステーションによって異なります。 - 具体的なケア内容
例えば、ある利用者宅では血圧測定や服薬管理を行い、別の利用者宅では褥瘡(床ずれ)の処置やリハビリ支援を提供することがあります。利用者ごとの状態に応じた個別ケアが求められます。 - 記録作業
ケア終了後にはその場で記録を残します。これにより、次回訪問時や他スタッフへの情報共有がスムーズになります。
12:00~13:00 昼休憩
- 休憩方法
午前中の訪問が終わると昼休憩に入ります。外食したり車内で休憩したりする場合もありますが、多くの看護師はステーションに戻り昼食を取ることが多いです。この際に利用者情報の共有や簡単な事務作業を行うこともあります。 - 柔軟な休憩時間
訪問スケジュールに合わせて休憩時間が調整されることもあり、厳密な時間帯で設定されているわけではありません。
13:00~17:00 午後の訪問
- 午後の訪問件数
午後は3件ほど訪問することが一般的です。1件につき30分~90分程度の訪問時間が設定されます。 - 施設への訪問例
サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームなど施設に入居している利用者への訪問も行います。この場合、複数人へのケアをまとめて行うことがあります。 - 移動時間と効率化
移動時間を考慮してスケジュールが組まれており、効率よく回れるよう工夫されています。例えば、近隣エリアの利用者を連続して訪問するよう調整されることがあります。
17:00~17:30 事務作業・退勤
- 報告・引き継ぎ
訪問後はステーションへ戻り、その日のオンコール担当者や管理者へ利用者情報を報告します。また翌日のスケジュール確認や必要書類の準備を行います。 - 書類作成
訪問看護計画書や報告書など事務作業も重要です。月末には医師やケアマネージャーに提出する報告書作成で残業になることもあります。
オンコール当番の日
オンコール担当の日は通常勤務終了後、自宅で待機しながら緊急対応に備えます。
以下はオンコール当番の日の流れです:
- 待機中の過ごし方
自宅で過ごすことができますが、常に電話対応できる状態を保つ必要があります。緊急性が高い場合には夜間でも利用者宅へ向かうことがあります。 - 翌日の報告
オンコール対応内容は翌日の朝礼で報告し、関係者と情報共有します。
忙しい日に気をつけるポイント
- 休憩時間確保
忙しい日でも最低30分は休憩を取るよう心掛けましょう。 - 移動時間管理
道路状況や交通機関の遅延に備え余裕を持った移動計画が重要です。 - 事務作業分散
書類作成はこまめに進めておくことで残業を防ぐことができます。
まとめ
訪問看護ステーションで働く看護師の日々は多忙ですが、利用者との深い関わりから得られる充実感があります。
初心者でも適切な研修と経験を積むことでスムーズに業務をこなせるようになります。訪問看護は病院勤務とは異なる魅力的な働き方として注目されています。