2024年の介護保険制度改定について、詳細に説明いたします。
1. 介護報酬改定率
- 全体で+1.59%の引き上げ
- 介護職員の処遇改善分：+0.98%
- その他の改定：+0.61%
- 改定率の外枠：+0.45%相当
- 処遇改善加算の一本化による賃上げ効果
- 光熱水費の基準費用額の増額による介護施設の増収効果
- 合計で+2.04%相当の改定
訪問看護サービスについて
ざっくりと説明すると、看護師さんの訪問単価は増加、理学療法士等のリハビリ職種の訪問は微増になりました。リハビリ職種の訪問は減算に関する項目が増え、事業所全体で考えると訪問単価は減少しています。また、看護師さんの負担軽減に対して加算が新たに導入されています。
2. 改定の施行日
- 2024年4月施行：多くのサービス
- 2024年6月施行：
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 通所リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
改定の施行日がサービスによって異なるのは、この10年間で初めてのことでした。
3. 自立支援・重度化防止に向けた対応
3.1 リハビリ、口腔、栄養の一体的取組の推進
- 訪問・通所リハビリテーションでの一体的取組
- 介護保険施設での一体的取組
- 一体的計画書の見直し
3.2 LIFEを活用した質の高い介護の推進
- 科学的介護推進体制加算の見直し
- 自立支援促進加算の見直し
3.3 アウトカム評価の充実
- ADL維持等加算の見直し
- 排せつ支援加算の見直し
- 褥瘡マネジメント加算等の見直し
4. 財務諸表の公表義務化
- 介護事業所の経営の透明性向上を目的
- 具体的な公表方法や対象範囲は今後詳細が発表される予定
5. 介護情報基盤の整備
- デジタル化推進によるケアの質向上と業務効率化
- ICT・介護ロボットの活用促進
6. 居宅介護支援事業所による介護予防支援の実施
- 地域包括支援センターの負担軽減
- 介護予防サービスの充実
7. 科学的介護情報システム「LIFE」の推進
- データに基づく介護の質の向上
- LIFEの活用を促進する加算の見直し
8. その他の重要な改定点
- 通所介護等における入浴介助加算の見直し
- ユニットケア施設管理者研修の努力義務化
- 介護老人保健施設における在宅復帰・在宅療養支援機能の促進
- かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し
- 訪問及び通所リハビリテーションのみなし指定の見直し
- 要介護・要支援のリハビリテーションの評価の差別化
- 退院直後の診療未実施減算の免除
- 通所リハビリテーションの事業所規模別基本報酬の見直し
まとめ
これらの改定は、介護サービスの質の向上、介護職員の処遇改善、業務効率化、そして持続可能な介護保険制度の構築を目指すものです。
介護事業者は、これらの変更に適切に対応し、サービスの質の向上と経営の安定化を図ることが求められます。
